スカパラ×桜井和寿、YOSHIKI×HYDE、SKY-HI×SALU……2019年個性溢れるアーティストコラボ作品を振り返る

 おすすめ新譜を毎週紹介する「本日、フラゲ日」。2019年の最後は、今年を象徴するコラボ作品をピックアップ。“スカパラ×桜井和寿(Mr.Children)”が実現した東京スカパラダイスオーケストラのシングル『リボン feat. 桜井和寿(Mr.Children)』、宮本浩次、トータス松本らが参加した椎名林檎のアルバム『三毒史』など、個性溢れるアーティスト同士の化学反応が楽しめる5作品をプレイバックします!

東京スカパラダイスオーケストラ『リボン feat. 桜井和寿(Mr.Children)』(CDのみ)

 2019年の音楽シーンにおいて、強烈なインパクトを巻き起こし、大きな歓喜とともに迎え入れられたコラボレーションは、やはり東京スカパラダイスオーケストラと桜井和寿(Mr.Children)による「リボン feat. 桜井和寿(Mr.Children)」だろう。『ap bank fes 2018』で「美しく燃える森」をセッションしたことが起点となり、「スカパラ30周年のために何かさせて欲しい」という桜井の申し出によって実現したこの曲は、解放的なホーンセクション、しなやかなスカビート、高揚感たっぷりのメロディが一つになったアッパーチューン。「贈られたリボンをほどいて感謝したあとは、また誰かのためにリボンを結びたい」というテーマに貫かれた谷中敦(Baritone Sax)の歌詞、そして、前向きな意志に溢れた桜井のボーカルからは、音楽本来のパワーを存分に感じ取ることができた。

「リボン feat. 桜井和寿(Mr.Children)」Music Video / TOKYO SKA PARADISE ORCHESTRA
椎名林檎『三毒史』(通常盤)

 仏教において克服すべきとされる煩悩をテーマに据えた椎名林檎の約5年ぶりのフルアルバム『三毒史』は、あらゆる社会のシステムが崩壊、再構築されている現在を捉えたコンセプトアルバムであると同時に、才能と個性を兼ね備えた男性アーティストを迎えたコラボ作品としての表情も持っている。濃密な色気を醸し出すジャズ歌謡「獣ゆく細道」(椎名林檎と宮本浩次)、インダストリアルとエモがぶつかり合う「駆け落ち者」(椎名林檎と櫻井敦司)、向井秀徳のキメ台詞に新たな生命が宿ったファンクロック「神様、仏様」(椎名林檎と向井秀徳)、オルタナ的なセンスが炸裂する「急がば回れ」(椎名林檎とヒイズミマサユ機)、ミュージカル的な華やかさが広がる「目抜き通り」(椎名林檎とトータス松本)。まるで猛獣使いのごとき、椎名林檎のプロデュースワークに改めて瞠目せよ。

椎名林檎と宮本浩次-獣ゆく細道
菅田将暉『LOVE』(通常盤)

 菅田将暉の2作目のオリジナルアルバム『LOVE』には、大ヒットを記録した「まちがいさがし」(作詞・作曲・プロデュース:米津玄師)、「ロングホープ・フィリア」(作詞・作曲:秋田ひろむ(amazarashi))をはじめ、あいみょんをフィーチャーした、ちょっと官能的なラブソング「キスだけでfeat.あいみょん」、映画『溺れるナイフ』で共演した志摩遼平のペンによる「りびんぐでっど」など、いまをときめくアーティストたちのコラボレーション楽曲が数多く収められている。事務所やレコード会社のお膳立てではなく、菅田自身のつながりや交流がもとになっていること、そして、才能溢れるミュージシャンのセンスを取り入れ、シンガーとしての資質をしっかりと覚醒させていることが大きなポイント。役者として培った“吸収する力”はアーティスト活動にも良い影響を与えているようだ。

菅田将暉 『まちがいさがし』

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