欅坂46、2019年は“痛み”を乗り越えさらなる成長へ 長濱ねる卒業から選抜制度導入までを振り返る

成長のための”劇薬”=選抜制度を導入

 21人でスタートしてこれまで一貫して続けてきたのが全員選抜である。その間に何名かは卒業しているものの、メンバー全員で曲を披露する姿がもはやグループのトレードマークになっていた。そのため、次回の9thシングルで選抜制度が取り入れられることが発表されると、たちまちファンの間に衝撃が走った。欅坂46運営委員会委員長の今野義雄氏は番組内で「これからの欅坂46にとっては必要なステップ」とコメントし、キャプテンの菅井友香も「変わるためにはこれしかない」と発言している(『欅って、書けない?』より)。

 したがって、今後のシングルで毎回何かしらの波乱が起きることは想像に難くない。いわば、選抜制度は”劇薬”だ。しかし同時に、これからグループが成長していくための”布石”でもあることは間違いない。ついに選抜制に踏み切った2019年は、欅坂46史の中でも大きなターニングポイントととして位置付けられるだろう。

 リリースを減らして活動を限定したことでパフォーマンス向上やメンバー間の絆といった”土台作り”に励んだ一年。人気メンバーの卒業の裏で新メンバーの育成に徹した一年。制度を一新したことで今後のさらなる飛躍への”布石”を打った一年――。

 2019年は、ある面では”痛みの年”だった。しかし、今後グループがひと回り大きくなってから振り返ったとき、それが”成長痛”だったと気付くだろう。

■荻原 梓
J-POPメインの音楽系フリーライター。クイックジャパン・リアルサウンド・ライブドアニュース・オトトイ・ケティックなどで記事を執筆。
Twitter(@az_ogi)

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