L'Arc~en~Cielが上位独占で“ラルク祭り” 今週のSpotifyバイラルチャートに見る「一斉解禁」の強さ

 先日の嵐やMr.Childrenなどのストリーミング解禁時にも顕著だったが、今回のようにキャリアの長いアーティストが全曲を一気に解禁(L'Arc〜en〜Cielは436曲)すると、各自が「思い出の1曲」や「一番好きな曲」を題材に、SNSでの思い出語りに花が咲く。いちリスナーの立場としては「早めに解禁しておいて欲しかった」というのが本音だが、キャリアの長さ&知名度の高さによっては、遅れてスタートを切るメリットもあるというのが、このチャートからもわかる。

 とはいえ、それが通用するのはファンダムが強い&キャリアが長い一部のアーティストでしかないわけで、年々増加するストリーミングサービスのユーザー数を考慮すると、“聴けない期間”が長ければ長いほどアーティストが抱えるリスクは長期的に見れば大きいともいえる。“解禁”が当たり前になる2020年代には、このやり方が通用するアーティストはもっと少なくなるので、ラルクがこのタイミングで一斉解禁したことは英断といえる。ともあれ、今はただこの“祭り”を、各自の思い出語りとともに楽しんでおきたい。

(文=中村拓海)

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