Argonavis、GYROAXIA、Fantôme Iris……『BanG Dream!』発ボーイズバンドプロジェクト3組の特性を探る

 声優が実際にバンド活動を行いながら、アニメ、ゲーム、コミックなど、様々なメディアとのメディアミックスを展開する『BanG Dream!(バンドリ!)』発の、ボーイズバンドプロジェクト『ARGONAVIS from BanG Dream!』が、2020年春にTVアニメ化、2020年後半にゲーム化を発表。新たなバンド・GYROAXIA(ジャイロアクシア)とFantôme Iris(ファントムイリス)もお披露目され、今後の展開に期待が高まっている。

Argonavisは王道ポップロック路線

 『BanG Dream!』は2015年に始動、女子高生がバンドを結成し活動を通して成長していく物語と並行して、Poppin’Party、Roselia、RAISE A SUILENといったガールズバンドがリアルライブを展開していることで知られる。Poppin’Partyは、SILENT SIRENとの対バンでメットライフドームでの2デイズライブを成功させた。

Argonavis『STARTING OVER /ギフト』(通常盤)

 『ARGONAVIS from BanG Dream!』も、メインバンドであるArgonavisが、2018年末からリアルでバンド活動をスタート。これまでに東京・下北沢GARDENや千葉・舞浜アンフィシアターでライブを開催したほか、『月刊ブシロード』誌上で連載がスタートしている。原作・ストーリー原案と楽曲の作詞をBanG Dream!と同様に中村航が務めているが、アニメ『BanG Dream!』の舞台が東京・新宿が中心だったのに対して、アニメ『ARGONAVIS』は北海道・函館が舞台で、男子大学生が物語を展開していく。世界観・キャラクター設定を、2.5次元ミュージカルや『仮面ライダー』シリーズを手がける脚本・演出家の毛利亘宏が担当するとのことで、どのようにその手腕が発揮されるか楽しみだ。

 この『ARGONAVIS from BanG Dream!』の中心となるのが、Vo.七星蓮(CV.伊藤昌弘)、Gt.五稜結人(CV.日向大輔)、Ba.的場航海(CV.前田誠二)、Key.桔梗凛生(CV.森嶋秀太)、Dr.白石万浬(CV.橋本祥平)から成る5人組バンドのArgonavisだ。これまでに『ゴールライン』『STARTING OVER/ギフト』という2枚のシングルをリリースしている。

【Argonavis】ゴールライン PV

 「ゴールライン」は、声優を中心にアイドルにも楽曲提供する渡辺拓也が作編曲。ストレートで胸を熱くさせるメロディやサウンド展開を得意とする渡辺らしい、疾走感のあるナンバーに仕上がった。中村航による歌詞ともあいまって、力強く前向きな楽曲だ。続く「STARTING OVER」は、2015年メジャーデビューのASH DA HEROが作詞作曲。ボーカルとラップが入り乱れるナンバーで、ギアを一段階アップした感じだ。また「ギフト」は、作曲を自身もアーティストとして活動する白神真志朗が担当し、切なさのあるメロディとソリッドなバンドサウンドが絶妙に融合した楽曲になった。いずれもバンドの頂点を目指す若者の、爽やかな汗と熱い野心が感じられる。

【試聴動画】Argonavis 2nd Single「STARTING OVER/ギフト」 (8/21発売)

 ライブでは、ポルノグラフィティの「メリッサ」やL’Arc-en-Cielの「READY STEADY GO」、FLOWの「GO!!!」、ORANGE RANGEの「*〜アスタリスク〜」といったカバーも披露しており、ここからもポップロック路線の方向性が伺える。このArgonavisは、『BanG Dream!』で言えば、AfterglowとPoppin’Partyの特性を合わせ持ったいわゆる王道、正統派のロックバンドといった存在感だ。

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