乃木坂46×欅坂46×日向坂46『紅白歌合戦』で発揮される3坂道の個性 各グループの歌唱楽曲予想も

乃木坂46『Sing Out! 』(TYPE-A)

 乃木坂46、欅坂46、日向坂46が、『第70回NHK紅白歌合戦』(NHK総合)への出演を決めた。坂道3グループが揃って紅白に出場するのは今年が初。名実ともに2019年の坂道グループの勢いを示す指標と言える。

 乃木坂46が今年で5年連続、欅坂46が4年連続、そして2月に前身グループのけやき坂46から改名し、3月にシングルデビューした日向坂46が初出場となる。紅白制作統括の加藤英明チーフプロデューサーは、選考ポイントについて「それぞれの個性が支持されている」とコメントしている(参考:ORICON NEWS)。今、改めて坂道3グループの個性を考えてみたい。

乃木坂46

乃木坂46 『ぐるぐるカーテン』Short Ver.

  3グループの個性を簡潔に説明するとすれば、それぞれのデビュー曲がそのグループのコンセプトを分かりやすく表している。2012年にリリースされた乃木坂46のデビュー曲「ぐるぐるカーテン」は、生駒里奈がセンターを務めた。MVではメンバーが教室のカーテンにぐるぐると包まれひそひそ話しをしている様子が映し出され、サビ終わりでは〈女の子なら いつだって 死角になる場所くらい こんな時のために 確保してる 男子禁制〉と歌われる。当時、AKB48のカウンターとして乃木坂46が打ち出したのが、「清楚」「私立校のお嬢様」「華やかさ、品の良さ」といったコンセプトだった。

 その後、生駒から白石麻衣、西野七瀬、齋藤飛鳥とセンターは移り変わり、清楚という基盤の部分は変わらずに、気品、優美といった新しいイメージが付いていく。白石を筆頭に多くのメンバーがモデルとして第一線で活躍し、男性だけでなく女性からの支持を集めたことも大きいだろう。堀未央奈、大園桃子、与田祐希、遠藤さくらと各期生からセンターが抜擢されるだけでなく、一人ひとりのメンバーがそれぞれのシーンで活躍していることも、個人からグループに循環していく乃木坂46の色、乃木坂らしさに繋がっている。

欅坂46

欅坂46 『サイレントマジョリティー』

 乃木坂46のデビューから4年後、2016年に「サイレントマジョリティー」で鮮烈なデビューを飾ったのが欅坂46。楽曲には、「大人からの抑圧に対抗する自我の芽生え」というテーマがあり、センターを張る平手友梨奈のダンスにはモーセが海を割り、紅海を渡った様子とウジェーヌ・ドラクロワの絵画「民衆を導く自由の女神」のイメージが重ねられている。

 “抑圧に反抗する”というこれまで女性アイドルが歌ってこなかったメッセージをキャッチーに世に放ったことで、欅坂46は言わば乃木坂46のさらなるカウンターとして、熱狂とともにアイドルファン以外の層も取り込んでいく。2017年の紅白で披露され大きな話題となった「不協和音」では〈僕は嫌だ〉と叫び、今年リリースされそのタイトルに“厄介者”という意味を持つ「黒い羊」では、生きることの葛藤、他者との共存・対立でもがき苦しむ姿が描かれている。メッセージ性の強さに加え、コンテンポラリーダンスを軸としたパフォーマンス力の高さも欅坂46の独自のカラーと言えるだろう。

日向坂46

日向坂46 『キュン』

 今年けやき坂46から改名しデビューを果たした日向坂46。もともとは、2015年11月に欅坂46のアンダーグループとして、長濱ねる1人でスタートしたグループだった。その後、2016年5月に長濱を含む12人のメンバーとなり、2017年には断続的なZeppツアーを開催。ライブが楽しいというグループの“ハッピーオーラ”を形成していく。

 2018年には、1stアルバム『走り出す瞬間』をリリースし、1年に2度も日本武道館3DAYSを成功させるなど、欅坂46のアンダーグループのイメージから脱却。そして、2019年2月に日向坂46への改名を発表する。けやき坂46が約3年3カ月の活動期間で手に入れたのが、ハッピーオーラ。小坂菜緒をセンターに据えた「キュン」は、グループの明るさやポジティブなイメージを全開に表現した楽曲だ。キャッチーで真似したくなるダンスは、2枚目シングル曲「ドレミソラシド」にも取り入れられており、乃木坂46、欅坂46にはない特色でもある。

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