『44RAIDERS』インタビュー

BALLISTIK BOYZが語る、EXILE TRIBE史上初のグループスタイルで挑む“海外進出”への道

 メンバー全員がマイクを持ち、歌、ラップ、ダンス、アクロバットまでをこなすEXILE TRIBE史上初のグループ、BALLISTIK BOYZ from EXILE TRIBE。5月にアルバム『BALLISTIK BOYZ』でデビューを果たし、この夏は全国各地のフェスはもちろん、Jr.EXILE世代のグループ4組がバトルを繰り広げたライブイベント『BATTLE OF TOKYO~ENTER THE Jr.EXILE~』でも堂々としたステージングでオーディエンスにその姿を印象付けた。そんな彼らが10月23日に1stシングル『44RAIDERS』をリリースした。

 国際的に活躍できる人材を育成する「PROJECT TARO」でNYでキャリアを積んだメンバーが在籍するなど、結成当初からインターナショナルな活動を視野に入れてきた7人。名刺代わりといえる1stシングルに込めた狙いや、9月に行った初の海外遠征について、そしてついに決定した1stツアー『BBZ』などについてもじっくり語ってもらった。(古知屋ジュン)【インタビュー最後にプレゼント情報あり】

日髙「あの4日間は僕ら全員のスイッチが切り替わった瞬間だった」

――デビュー以降の流れを振り返ると、ビッグイベントだった『BATTLE OF TOKYO』は外せないところかと思います。振り返ってみていかがでしたか?

海沼流星(以下、海沼):メジャーデビューしてからすぐの大舞台だったので、個人的には不安があったのですが、リハーサルから本番にいたるまで、先輩方の背中に学べた部分がすごく大きかったです。あの場に参加できたからこそ、今現在の自分たちがあるのかなと思ってます。

奥田力也(以下、奥田):先輩方がこれまで苦労して築き上げてきたライブ作りなどのノウハウを、あの短い期間で実際に背中を見ながら学べたことには本当に感謝しています。先輩方から直接アドバイスをいただけたりしたのも嬉しかったです。

深堀未来(以下、深堀):おそらくみんなが、デビューしてからの期間で一番成長できた機会だったのかなと思います。ステージで7人でのマイクリレーやアクロバットといった自分たちの特徴をしっかり見せようということは、みんなの共通認識としてありました。あと、僕らは参加グループの中で一番後輩ではありますけど、一番堂々としているくらいの‟やんちゃ感”は意識しましたね。

――デビューしたての佇まいというより、先輩たちを‟食ってやろう”的な気迫がすごかったと思います。

日髙竜太(以下、日髙):あの4日間は僕ら全員のスイッチが切り替わった瞬間だったと思います。「やってやるぞ」という思いに、さらに火がついたというか。あの場で自分たちのパフォーマンス面での強みやこの7人なりのチームワークについても改めて認識できましたし、逆に自信が湧いた部分もありました。

加納嘉将(以下、加納):僕らはこれまでとは違ったスタイルのグループだからこそ、先輩たちに負けないような個性を出そうと頑張った4日間で、竜太くんが言うように自信を持てた部分もあり、悔しい部分もあり……。やっぱり、先輩たちのパフォーマンスする姿にすくなからずスキルや経験の差を感じた部分はありました。自分たちだけでももっと大きなステージに立てるようにはどうするべきか、いろんなことを考えた期間でした。

砂田将宏(以下、砂田):僕や力也は小さい頃からキッズダンサーとしてEXILEさんのライブなどにサポートとして参加してきて、ずっと先輩方に夢を与えてもらってきたんです。そんな方々と一緒にライブをするというのは、デビューと同じくらいの大きな出来事でした。これまではいちオーディエンスとしてライブを観る機会が多かったんですが、いざ自分がメインの柱の一つであるBALLISTIK BOYZとしてライブを作っていく過程で、改めてLDHの作るライブってすごいな! ということと、みんなが言っているように先輩たちのすごさも肌で感じました。

松井利樹(以下、松井):個人的に、アーティストになりたいという夢を持って背中を追いかけていたのがJr.EXILE世代の先輩方だったので、その憧れの存在と同じステージに立てたというのは、ある意味、夢が叶った瞬間でした。同時に、頭がパンクしそうなくらい情報を吸収させてもらったことで、まだまだ自分たちに足りない部分も明確になったと思います。

――そんな経験を経て、1stシングル『44RAIDERS』がリリースされました。公開されているMVでは、高い身体能力を要求されるパルクールを披露するシーンが印象的です。

BALLISTIK BOYZ from EXILE TRIBE / 「44RAIDERS」 Music Video

砂田:僕らにとっても初の挑戦でした。先輩のZENさん(全米チャンピオンにも輝いた日本人初のプロパルクールアスリート)のクルーの方々に教わって練習を重ねたんですが、MV撮影の日にセットに合わせて1人ずつの動きを決めていったので、かなり緊張感がありました。1人何テイクも撮影しました。

松井:すぐ技をポンポン習得できたメンバーもいましたけど、僕が一番下手くそだったかも。ダンスとかアクロバットとはまったく別物で、本当に苦戦しました。難しかった……!

奥田:練習場所は床も柔らかいので安心感があったんですけど、スタジオはコンクリートだし、気を抜くとケガしちゃうから、なかなか最初の一歩が踏み出せなくて(笑)。でもそれまでに練習は重ねてきたので、本番はうまくいったかな。

日髙:メンバーそれぞれが違う技に挑戦しているのも見どころだと思います。

――曲中でBPMが違う部分もあったりするので、1曲でバラエティに富んだダンスが楽しめるのも興味深いです。振りはみなさんで手掛けたとか。

深堀:僕がサビを作ったんですが、初めて聴いたときに1stアルバム収録の「テンハネ -1000%-」とはまた違うオトナな雰囲気を感じたので、シャープでちょっとかっこいいスタイルにしたいと思って。歌詞を振りで表現しようと試みた部分もあるので注目していただきたいです。MVのソロ部分では、それぞれフリースタイルを披露しています。

――そしてこの曲でもみなさんのマイクリレーが楽しくて。

日髙:ラッパーチームもボーカルチームも、前回のアルバムの楽曲にはなかったような歌い回しや声の出し方にトライしています。僕らボーカルは、ラップのようにアタックをしっかりつけながら歌っているパートもあったり、この曲でより新しい引き出しが増えたと思います。アルバムのレコーディングや、『BATTLE OF TOKYO』で先輩方に刺激を受けた、今の自分たちだからこそできる表現というのも加わったかなと。

海沼:竜太くんが言ったように、ラッパーチームも‟声”をすごく大事にしてレコーディングに臨んでいます。当たり前ですが、耳で楽しんでもらうには声で伝えるしかないじゃないですか。アルバムを出してからいろんなステージで客席の反応を見てきて、「お客さんに楽しんでもらえるのは、自分のこういう声なんだ」とわかってきたこともあって、自分の中でのレパートリーが増えてきて。この「44RAIDERS」では声の質感を大事にしながら、勢いのあるリリックやサウンドの魅力も殺さないように意識して歌っています。

――〈いつかのkidsがking奪う 名シーン〉とか、リリックのギラギラ感が強烈ですよね。

海沼:自分たちの曲ながら、なかなか攻めていますね(笑)。

砂田:今回はBALLISTIK BOYZのことをより詳しく知ってもらおう、というコンセプトのもとに、楽曲もMVも作られているところがあって。リリックはあまりマイルドに丸めずに、尖った状態をそのまま表現しているような部分があって、この曲ではそれがより自分たちらしさを際立たせているんじゃないかと思います。

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