舐達麻は、なぜヘッズ以外からも注目される? ラップスタイル&サウンド面から魅力を考察
では、相反する要素がセットになれば人気が出るのかといえば、そう一筋縄ではいかない。冒頭の繰り返しになるが、リアルであることの”裏付け”となるキャラクターと過去が舐達麻というブランドを仕上げている。キレイに刈り上げられた髪型に、ビッシリ入った和彫り。派手なシャツを肌の上に身に纏うだけの彼らの風貌は、いつ誰の目にもアウトローそのもの。そしてその感性を素のまま表現するかのようなリリックは、他のラッパーとは言葉遣いやリズムが違う。友を失った後悔と義理を滲ませる言葉からは哀愁を感じさせるが、彼らは決して湿っぽくならない。むしろ振り返り薄ら笑いを浮かべながら中指を立て、また歩み続けるようなその背中は、不良の気高さすら感じてしまう。
■斎井直史
学生時代、卒論を口実に音楽業界の色んな方々に迫った結果、OTOTOYに辿り着いてお手伝いを数ヶ月。そこで記事の書き方を教わり、卒業後も寄稿を続け、「斎井直史のパンチライン・オブ・ザ・マンス」を連載中。趣味で英語通訳と下手クソDJ。読みやすい文を目指してます。