アンジュルムを象徴する“めまぐるしい変化” 二期生が育んだグループの輝き

 アンジュルムでサブリーダーを務める中西香菜がグループからの卒業、そして、芸能界からの引退を発表した。今年6月には、アイドルとしてのキャリア15年を誇った元リーダー・和田彩花が卒業。さらに、直前には同期メンバーの勝田里奈も卒業していたことから、突然の報告にファンの間では大きな動揺が走った。

密着ドキュメンタリーフォトブック「アンジュルムと書いて、青春と読む。」

 一方で、彼女の卒業発表に併せてひそかに頭をよぎったのが、2016年6月に卒業した元メンバーで、現在は歌手や舞台女優として活躍する田村芽実がかつて残した「スマイレージ(アンジュルムの前身)はいつもこうだ…。」という名言だ。その真髄を知ろうとすると、和田からリーダーを継いだ竹内朱莉、中西、勝田、田村の“二期メンバー”へ不思議と思いを巡らせたくなる。

中西香菜が卒業の決断へ至った経緯

 ここで少し、中西が卒業を発表した経緯を整理してみたい。第一報であるハロー!プロジェクトの公式サイトで発表があったのは、今年9月30日。パシフィコ横浜で行われた勝田の卒業コンサートからわずか5日後であった。

 同サイトによれば、背景にあったのは「今までとは異なった新しいジャンルに飛び込んで、一から勉強したい」という彼女の意思。事務所側は「将来のビジョンを固めるために、もう少し時間があったほうがいいのではないか」と慰留したが、彼女から「意思の強さを感じ取れたので、次の一歩を踏み出した方がいい」と判断し決断を尊重したという(参考:アンジュルム 中西香菜の卒業に関するお知らせ)。

 さらに、10月2日にアップされた彼女自身による公式ブログでは、卒業を決めるまでの経緯が綴られていた(参考:アンジュルム 公式ブログ)。

 きっかけとなったのは、昨年12月から今年3月にかけて、左アキレス腱付着部炎により一部の活動を欠席していた時期だった。足のケガで離脱する中で「自分の誇れることってなんだろう。好きなことってなんだろう」と考えていた彼女。一方で、メンバーや周囲が支えてくれるアンジュルムの環境に「ずっと甘えてしまうんじゃないか」と危機感をおぼえていたことを明かし、「自分自身強く立派な女性へと早く変わりたい」という一心から、環境を新たにしようと決意したことを語っていた。

 卒業まではあと2カ月ほど。彼女がステージを去るのは、現在、アンジュルムが巡っている全国ツアー『ライブツアー 2019夏秋「Next Page」』の最終公演にあたる豊洲PITのコンサートと発表されているが、やはり、前ぶれのなかった突然の報告にはいまだ寂しさが募るのも事実だ。

関連記事