今年はKing & Prince 平野×永瀬×髙橋がメインキャストに 舞台『ジャニーズ・アイランド』の変遷

 本シリーズ以外にも、ジャニーズのほとんど全ての舞台は、役名がなく出演者がそのまま本人の名前で劇中に登場する。そのため、大まかな下敷きはあれど、誰が演じるかによって大幅にキャラクターやストーリーが変わってゆくのが特徴だ。本シリーズが8年間の歴史の中でどんどん形を変えていった理由は、ジャニー氏が日々エンターテインメントに触れる中で、少しずつ主張したいテーマが変わっていった……ということもあるだろうが、毎年座長をつとめるキャストが変わっていったからというのも大きいだろう。

 実際、今年9月にKing & Princeの岸優太、神宮寺勇太が主演をつとめた舞台『DREAM BOYS』の演出を担った堂本光一は、演者が演じやすいようにストーリーを整理したという。おかげで今年の『DREAM BOYS』は、ここ数年に比べストーリーが非常に分かりやすく、初めて目にする人でも物語の中にすっと入り込めるようなスムーズさがあった。

 今回の『ジャニーズ・アイランド』制作発表会見でも、『DREAM BOYS』の話題に。平野は「同じグループのメンバーを褒めるのはおかしいけど、すごく刺激をもらった。早く僕もそっち側(舞台)に立ちたいと思った」、髙橋は「涙が止まらなかった。ばっちり、心の中に爪痕を残されちゃった」とコメント(参考:ORICON NEWS)。次世代のジャニーズを引っ張っていく存在として、同じグループでありながらもライバル心を忘れず、切磋琢磨して舞台にのぞむ。

 今年の『ジャニーズ・アイランド』も、演出を担う滝沢秀明曰く「2012年の原点に立ち返る」構想があるという。長年続けていく中で、様々な要素が付与され、複雑に絡み合ったストーリーを、ジャニー氏が一番近くで指導してきたタレントたちが“再構築”してゆく。半世紀以上続いてきた“ジャニーズ舞台”が、今、新たな局面を迎えようとしている。

■みずさき
ライター。アイドルを中心にエンタメ系記事の執筆を行う。
また、アラサー女性4人組サークル「劇団雌猫」として執筆、イベント業も行なっている。
最新刊『本業はオタクです。 シュミも楽しむあの人の仕事術』が発売中。
Twitter:@samizusaki

関連記事