加藤ミリヤ、デビュー日に届けた感謝と愛情 15周年記念『GEMINI』ツアー東京公演

 本編の終盤、出産後初のリリース作品となった「愛が降る」を歌う前にも愛について触れたミリヤ。「私自身変化があって、母になったし、毎日毎日本当にたくさんの愛が溢れていて、愛を感じて愛が止まらない」と今の自分を報告。続けて、「それは自分の息子に対してだけじゃなくて、自分の母が自分を生んでくれたことに感謝したいくらい、そういう気持ちが溢れてて。愛って漠然としていて、たまに傷つくこともあるけど、愛って素晴らしい。愛は私たちがここに生きてる証。それを自分の表現で伝えていきたい」と、今後の意気込みを伝えた。

 ライブの最後は、愛するファンに向けて「みんなに、より豊かで、素晴らしいなって思える人生を歩んで欲しいと願って歌います」という言葉を贈り、バラードの「素晴らしき人生」をソウルフルなボーカルで披露。産後とは思えぬほどパワフルな歌と、コンテンポラリーダンスを採り入れた新しいステージ演出で魅了したこの日のライブに、観客から大きな拍手と歓声が沸く中、ミリヤは「みんな愛し、愛されて生きてください」という、いつもの言葉をメッセージし、ライブを締めくくった。

 アンコールでは、15周年の軌跡をまとめたベストアルバム『M BEST II』が11月27日に発売されることが発表され、そのライブツアーを行うこともほのめかしたミリヤ。中盤のMCでは「愛の素晴らしさを伝えることが私の仕事だって思いました」と明かしていたが、母になったミリヤはこの先、どのようなカタチで愛を表現してくれるのか。この日、開演前にずっと流れていた楽曲は、20世紀最高のオペラ歌手と賞賛されるマリア・カラスの代表曲「歌に生き、愛に生き」だった。

■猪又 孝
音楽ライター、ときどき編集者。日本のソウル/R&B/ヒップホップを中心に執筆しつつ、カワイイ&カッコイイ女の子もダイスキ。音楽サイトMUSICSHELFで「猪又孝のvoice and beats」を連載中。三浦大知のアーティストブック『SHOW TIME!!』ではメインライターを担当。

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