米津玄師、楽曲制作と自身の哲学に通ずることを明かす「調和を持って生きていかなければ」
また、『馬と鹿』に収録されている「でしょましょ」については社会に対しての危機感を歌ったことを明かす。通り魔や京都アニメーションの放火事件など、せい惨な事件が多発している社会に対して「とんでもない時代に突入したんじゃないか」という思いから本楽曲を作ったという。米津は、事件に対してSNS上で拡散されていく様々な意見に対して「口にするのもはばかられるような悪辣な言葉がSNSのみんなの言葉としてバーっと流れてきたりして、それに対して自分はどういうスタンスで今を生きるべきなのかな、とすごく考えながら作った曲かもしれない」と楽曲が生まれた経緯を語った。
また、1人の人間として米津がもっとも大切にしているスタンスについて「自分が思ってることと全く真逆の事を考えてる人間が対岸にいたときに、その対岸にいる人の主義主張みたいなものを一回引き受けてみる、それくらいの余裕は絶対に持って生きたい」と語り、「調和を持って生きていかなければならない、人間は1人では生きていくことはできないので」「ポップソングを作る時のスタンスに近い」と話す。そして、「ひたすら中間というか、真ん中には何があるのかを探し当てる、自分にとって音楽を作る上でも日々生きていく上でも一番大事なことなのかな」と楽曲制作が自身の哲学にも通じることを語った。
(文=向原康太)