矢沢永吉、音楽との向き合い方について『関ジャム』で語ったこと 『Mステ』初出演にも期待

 中学生の頃から矢沢のファンであり、約20年前に雑誌の対談で初めて共演したという横山は矢沢について「日本で初めて“ロッカーとしてお金を稼いだ人”」と表現。さらに、「矢沢さんは昔から音楽業界のことを誰よりも考えている。日本でレコードやCDが売れている時代から“音楽の著作権”を自分で管理するようになって、実に“先見の明”がある人です」と続ける横山。「そして、新しいことに対して圧倒的にハングリー。今から20年前、僕がインディーズレーベル<PIZZA OF DEATH RECORDS>を立ち上げたときに矢沢さんから質問攻めにあった。その熱さも凄いが、20も年下のミュージシャンに会って、自分の話もせず、ひたすら質問する矢沢さんは凄い」と当時を振り返った。一方、矢沢は横山について「レコード会社じゃなくて自分たちでアルバムを作るインディーズレーベルを作った人の走り。彼が予想していたかは分からないけどそれからCDの時代終わっていくんだから、先駆者ですよ」と語り、「この野郎、スゲェなと。かっこいいですね」と矢沢節で称賛した。

 そんな互いにリスペクトを送り合う横山から矢沢に対し「サブスクリプションが台頭し、音楽の聴かれ方が変わってきた今をどう思いますか?」と質問が。矢沢はこれに対し「日本だけじゃなく世界的な流れがそういうところに向かっていったし、(そんな時代が)来るべくして来た」とコメント。定額聴き放題については「そりゃアーティストからしたら……『俺たちの稼ぎ場荒らすんじゃねぇよ!』っていうのはありますよ。でもそれ言ったところで止まりますか? (サブスクリプションサービスが)世界的な流れだし、インターネットと共にそこにきたんだなと思う」、「ミュージックの世界だけじゃなく、どの世界だって淘汰されていっているから、消えていく産業、ビジネスなんていっぱい増えますよ」と冷静な視点で語った。

 その上で「でも、メロディ、音楽、ライブパフォーマンスは僕は不滅だと思う。やり方や場所、見せる所は多少変わるけれど、(音楽は)永遠だと思います」「指くわえて待ってねぇぞ! ってところで頑張っていくしかないじゃない」と、ファンやアーティストに多大な影響を与え続けて来た矢沢永吉の真髄とも言える、明確な音楽へのビジョンを力強い言葉で示した。

 また、ニューアルバム『いつか、その日が来る日まで…』で収録曲のうち5曲の作詞を手がけたいしわたり淳治。矢沢から歌詞に対するオーダーがほとんどなかったといういしわたりは、「歌詞のオーダーをしない理由」について矢沢に質問を投げかけた。普段は歌詞についての指定などをケースバイケースで行なっているとのことだが、今回はいしわたりからの歌詞を楽しみにしていたといい、「『魅せてくれ』のロックンロールは無条件(でOK!)」と絶賛。作詞を丸投げする面白さを「曲は、メロディだけが良すぎてもダメ、詞だけが良すぎてもダメで、詞とメロディのハマり方、重なり方がある」とも話した。

 そして、ランキングでは3位「止まらないHa~Ha」(1986年)、2位「ファンキー・モンキー・ベイビー」(1973年)、1位「時間よ止まれ」(1978年)と今も色褪せない名曲がトップ3を飾った。最後に横山は、インタビューを通して改めて感じた矢沢の魅力について、こんな言葉で締めくくった。

「緻密な計算とワイルドな言動やパフォーマンス全てを含めて矢沢さんなんだと感じましたが、矢沢さんだからできるんじゃなくて、やるから矢沢永吉なんですよね」

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 なお、矢沢永吉は8月30日放送の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)に初出演。アルバム収録曲「黒く塗りつぶせ」「ヨコハマUō・Uō・Uō」の2曲を披露する予定だ。

(文=神人未稀)

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