4thシングル『何もしてあげられない』インタビュー

22/7 全員インタビュー メンバーが語る、11人で踏み出す第2章のスタートとアニメ化への喜び

「何もしてあげられない」は、すごくナナニジらしい曲

左から高辻麗、武田愛奈、涼花萌

――みなさんそれぞれに関係性を深めているということですね。だからこそ、シングルの表題曲を11人全員で歌えると知ったときは、嬉しかったんじゃないでしょうか。

帆風:「11人で表題曲を歌いたい」ということはずっと話していた目標だったので、それを叶えられて、すごく嬉しかったです。それに、私たちだけではなくて、ファンのみなさんも待ってくれていたと思いますし、みなさんが「11人で歌う姿をもっと見たい」と言ってくれたからこそ実現したと思うと、嬉しいと同時に、感謝の気持ちが溢れてきました。

――では、最初に楽曲を聴いたときの感想は?

高辻:今回の「何もしてあげられない」は、すごくナナニジらしい曲だな、と思いました。

帆風:この曲もそうですし、これまでの曲を聴いていても思うことなんですけど、人への元気の与え方って、色んな種類があると思うんです。たとえば、すごく元気な人を見ていて元気が出る、というのもそのひとつだと思うんですけど、私たちの曲には誰もが持っている葛藤や苦しみが描かれていて、でも、「それは自分だけじゃないよ」という意味で、寄り添うタイプの曲が多いと思っていて。「こういう気持ちがあってもいいんだな」という肯定感を、聴いてくれるみなさんにも持っていただいて、元気になってもらえたらな、と思っています。

白沢:歌詞の意味については、振付師さんと一緒にみんなで円になって、「意味を考えよう」という会を1時間以上して、それぞれの感想を出していきました。そのときに、「正解はないから」と振付師さんが言ってくださって、「ひとりひとりの解釈の違いを尊重する」ことに気づけたので、私も自分が思う「何もしてあげられない」の表現を、試行錯誤しながら見つけるきっかけになりました。

帆風:私は今回、天城サリーちゃんと一緒に、どこかラップのような、語りのようなシーンを担当することが多かったので、メロディに助けられることがない分、セリフに気持ちを乗せることを意識しました。そこは演技レッスンで培ってきたものを、いかに出せるかを考えていきました。この曲が自分にとってどういう曲なのかを考えながら、表現していった形です。

高辻:私の場合、途中、私と萌ちゃんとあいなっちの3人で歌う部分があるので――。

――ライブでのフォーメーションも印象的なものになっていましたね。

高辻:そうなんです。3人が雑踏の中にいて、歩いてくる8人に飲み込まれてひとつになるという振り付けがあって。その部分はずっと同じ思いを抱えてきた3人で、同じ気持ちで歌えているのかなと思うので、「すごくありがたいな」と思っています。

西條:私の場合は、〈傲慢に生きて来て〉というセリフを言っていて、「それってまさに自分のことだなぁ」と思っているんです。私は自分の感情でしか動けないというか、そうでしか生きられないタイプなので、そのセリフは家族とメンバーに向けて言っています……(笑)。

涼花:私にとってこの曲は、歌詞を理解するのが難しくて。でも、『ナナニジフェス 2019』での初披露のときに、目の前にいるお客さんが、すごく温かい目をしてくれていたんですよ。まるで自分のことのように、すごく喜んでくださっていて。なので、歌詞の意味を考えるだけではなくて、応援してくれる人たちへの「ありがとう」も込めて歌っています。

――今回はMVにも11人のキャラクター全員が登場していて、これまでの3Dモデルとは違う作画タッチの映像になっていますね。冒頭のメンバーが並んでいるところが実は10人で、その映像が映ったスマホを持つ手も加えて11人になるという演出も意味深です。

帆風:みんな立ち方や向いている方向がそれぞれ違ったりしていて、みうちゃんが最後の最後に動くところも意味深ですよね。

西條:みうちゃんは私の担当キャラクターなのでよく知っているはずなのに、最後の部分だけ私の知っているみうちゃんとは違っていて、ドキッとしました。みうちゃんは最後まで顔が見えなくて、過去のジャケット写真でも、いつもみうちゃんだけ目線が違ったりしているので、そういう部分も、「いつか理由が分かるのかな?」と気になりながら観ています。

――「何もしてあげられない」は、いよいよキャラクター11人が集結したシングル表題曲になりました。これからの活動については、どんなことを楽しみにしていますか?

帆風:この間の『ナナニジフェス 2019』で2020年1月からのTVアニメの放送開始が発表されて、具体的な目標が見えてきましたし、今年は色々なフェスに出させていただいたり、9月20日にアニバーサリーライブがあったり色々なことが控えています。そういう場所で、みなさんが私たちのことを「いいな」と思ってくださって、「色んな人に広めたい」と思ってくれるかどうかは私たち次第なので、その大きな目標に向かって頑張っていきたいです。

高辻:私は歌がすごく好きなので、TVアニメでそれぞれのキャラクターに焦点が当たっていくとしたら、それぞれのキャラソンも歌ってみたいです。22/7はキャラクターもすごく魅力的だと思うので、キャラクター・コンテンツとしてもたくさんの人に愛してもらえるようになっていけたらいいな、と思います。

――22/7は、11人であると同時に22人でもある、ということですよね。

白沢:22/7はデジタル声優アイドルグループとして、アニメのキャラクターたちを演じるために結成されたグループでもあるので、『計算中』やVTuberとしての活動を通して、キャラクターたちが輝ける舞台が増えてきていることを、すごく嬉しく思っています。その新しいものとして、TVアニメは絶好の舞台だと思いますし、私たちがキャラクターの魅力を作り上げて、伝えていけるような1年にしたいです。

西條:私もキャラクターたちの魅力を伝えていけたらいいな、と思っています。ただ、私はみうちゃんと似ているところが多いので、『計算中』のような番組を通して、自分と一緒になりすぎてしまっている部分も感じていて。TVアニメに向けて「演じる」ことをちゃんと見せていきたいです。

涼花:私は、みかみちゃんに出会えて、すごく助けられている部分があるんです。なので、私が演じることでみかみちゃんを嫌いになってほしくないし、「可愛いな」と思ってもらえるように頑張りたいです。キャラクターたちだけのライブでも、全国の色んな場所に行けたらいいな、と思っています。

(取材・文=杉山仁/写真=三橋優美子)

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