Kleissis、初ワンマンで見せた『アルカ・ラスト』の世界観とグループのパフォーマンス力

 7月20日、原宿クエストホールにて『Kleissis 1st LIVE~volare(ヴォラーレ)~』が開催。結成から1年。今年5月のショーケースイベントや数々の対バンライブへの出演を経ての待望の初ワンマンは、彼女たちの磨き上げられたボーカル、ダンスパフォーマンスの魅力を再確認できる公演だった。本稿では、そのうち第2部の模様をお届けする。

 Kleissisは2018年7月に結成された、約400人の中からオーディションで選ばれた声優が7人の歌姫となり、幻想的な世界観を歌に乗せて表現していくユニット。全員が配信開始されたばかりのスマホRPGゲーム『アルカ・ラスト 終わる世界と歌姫の果実』に、“破壊者を召喚する歌姫「クレイ・シス」”の声優としても出演している。

 彼女たちが歌唱する楽曲の多くがその『アルカ・ラスト』の主題歌やストーリーのイメージソングということもあり、今回のワンマンは幕開けに各担当キャラクターを演じる朗読劇を上演したり、曲前にキャラクターのモノローグを挟むなどして同作の世界観をベースに構成。これがライブの空気感を統一する役割を果たし、初ワンマンにしてコンセプトの明確なライブを作り上げる一因となっていた。

 だが、それはあくまで一因。その世界観を形にしていたのは、それを表現しきる7人の歌やダンススキルの高さだ。なかでも、切れ味を持ちながらも“歌姫”といったキャラクター性を生かしたダンスパフォーマンスは、Kleissisならではの魅力と言っていいだろう。特にそれを強く感じられたのが、ライブ中盤「Ark of promise」と「贖いのアリア」の2曲。前者ではイントロでの個々で見ても質の高いしなやかなダンスを、7人ピタリ揃えていた姿が非常に印象的で、そのほかのパートでも、思わず目を奪われるほど魅力的な2-Aメロの金子有希(ミウ役)の手の振付の麗しさなど、どこを切り取っても水準の高いものに。また、さらにスローな曲である後者では、引き続きしなやかさも魅せつつサビ中盤での細かなジャンプまで全員でタイミング、高さともに揃えるなど、細部に至るまで抜かりがない。加えて間奏部分での逆光という演出も含め、キャラクター性どおりの神々しさが随所に漂う1曲で、後奏で山田麻莉奈(サユキ役)が正面からステージ奥へと振り向いて歩き出す際の、視線の外し方ひとつにまでも神秘的なものが伴っていたように思う。さらに、ただ単に作品世界に沿った魅せ方をするだけでなく観客をステージに惹きつけるのに大きな役割を果たしていたのが、山根綺(ヒロナ役)。「Kleissis Chaos」のサビ中にて振付がフリーになる部分で拳を突き上げたり、「Another Sky Resonance」の2サビ明けに最前に飛び出しファンを煽るなど、高質なパフォーマンスの合間合間でファンを効果的に巻き込んでいく巧さも、見逃せない。

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