わーすた、“わんだふるYEAR”で得た成長と新章のスタート「他のアイドルの中には埋もれたくない」

わーすたが語る、新章のスタート

12カ月連続リリース&初の北米上陸で得た成長

ーー楽曲制作の体制が変わり、いろんな作家さんの曲を歌うようになった分、やはり大変なこともあった、と。

廣川:毎月新曲を披露していく中で「この曲はわーすたっぽくないな」って自分の中で1回シャッターを閉じかけてしまったこともありました。ファンの方の前で初披露する時はどんな曲であってもドキドキするし、反応を気にしちゃうし。何回歌ってもなかなか浸透してないなと思ったこともあったりして。ただ、自分が「この曲をどう届けたいのか?」とか「この曲のここが好き」とか、歌うたびに、リリースのタイミングを重ねていくたびに、その曲に対する気持ちが高ぶっていくんです。次第にそれをステージ上でも出せるようになって、ファンの方もわーすたの曲として受け入れてくれた。そう思える瞬間がどの曲にもありました。浸透するまでに時間は掛かるかもしれないけど、どんな曲でもわーすたとしてできるようになった……それがいちばん強くなったことだと思います。

ーーちょうど1年前の「JUMPING SUMMER」が初披露された時(2018年6月)は、曲調がこれまでとはガラリと変わりましたし、ファンの方もちょっとざわざわしてましたよね。

廣川:初披露のときは「エイベックスっぽいね」と言われましたねぇ(笑)。

松田:あの曲は男性アーティストが歌うイメージだったので。そうしたカッコよさをわーすたがどういう風に見せていけるんだろう? というところは自分たちにもありました。

廣川:「JUMPING SUMMER」はアルバムタイトルでもあったので、絶対にこの曲を自分たちのものにしなければいけない、という使命感みたいなものはずっとあって。でも、ファンの方もどんどんこの曲が好きになってくれたし、私たちも楽しめるようになって。「こういう曲もわーすたの色としてやっていいよね」と自信を持って言えるようになりました。

ーー『JUMPING SUMMER』はわーすたファン以外からも、評価の高いアルバムなんですよね。

三品:これまでのわーすたを聴いてきた方にとってはイメージが大きく変わったアルバムだったんですけど、このアルバムで入ってきてくれた方も実際に多かったので。それぞれ好みはあるだろうけど、いろんな層の方に聴いてもらえる曲が増えてるというのはやっぱり嬉しいです。

廣川:このアルバムに入っている「PLATONIC GIRL」という曲はみきとPさんが気に入っていた曲を提供してくださって。ニコニコ動画の方でみきとさん本人のセルフカバーが上がっているんですけど、ものすごい人気なんですよ。「この曲、わーすたが歌ってるの? 知らなかった」と、ボカロ方面から来てくれた方もたくさんいたので、いろんな方に曲を書いてもらうということは、すごいことなんだなと思いました。

ーー曲の幅が広がったことで、ライブ自体も変わってきたと思ったんです。

三品:曲のジャンルが増えたことで、いろんなライブの構成の仕方ができるようになったし、それを考える時間も長くなって。ライブの作り方をすごく考えるようになった1年でもありましたね。

ーー3月に行われた4周年ライブ『わーすた 4th Anniversary LIVE ~わんだふるこれくしょん~』でもいろんな趣向がありましたよね(参考:わーすた、4周年ライブでファンに伝えた“スーパーありがとう” 5年目へと向かうグループの強さ )。個人的にグッときたのがアコースティックの「ねぇ愛してみて」からのセクションで、すごく優しくてあたたかい空間が作られていたのが印象的でした。そんなあたたかさが今作の「おやすみ」にも表れていると感じました。

廣川:久々のバラード曲ですね。

松田:わーすたの中でいちばんスローテンポの曲です。ここまで落ち着いた曲は初めてです。

ーー今のわーすただから歌える曲ですよね。この包容力、この柔らかさ。

松田:スローな曲でいうと、『The World Standard』(2016年)に「いまはむかし」というおじいちゃんの曲があるんですけど。最近家で1人で聴いてたんですが、やっぱメンバーみんなの声が若いなって(笑)。今はどの曲でもそれぞれの感情を細かく感じるところがあったり、「わ、ここいいな」なんて、シビれるところがたくさんあるんですけど。昔の曲を聴くと、あらためてそういうポイントが増えたんだなぁとめっちゃ感じたりします。この「おやすみ」はソロで繋いでいく歌割りの構成になっているので、それぞれの聴かせどころを感じて欲しいですね。

廣川:シンプルに声を楽しめる曲です。わーすたは基本ツインボーカルなので、普段は私と瑠香が歌うことが多いけど、この曲では5人の歌声をしっかりと聴けるので、ファンの方も待ちに待ってた曲なんじゃないかなと思います。

松田:あったかい曲になってよかったです。

廣川:ほんとに眠くなるよね。

松田:レコーディング中に眠気がきました(笑)。

ーーわーすたといえば、“世界標準”ということで海外の話もお聞きしたいのですが。5月にカナダのトロントで行われた『Anime North 2019』に出演したばかりですが、初のカナダの印象はどうでしたか?

小玉:人が優しかったですね。チラシ配りをしたんですけど全員が受け取ってくれたり、話も熱心に聞いてくれて。人のあたたかさに感動しました。

廣川:人と話すことが好きな国なんだなと思いましたね。「今日ライブあるんですよ」と言って、それで来てくれた方もすごく多かったし。イベントにたまたま通り掛ったような人も、慣れ親しんできたご近所さんのように話が出来て。「じゃあ、またね」なんて、1回会った人でも大事にする国なんだなぁと。

ーー新しく英語担当になった三品さんは、英語通じました?

三品:はい、通じました! 私が英語担当になって初めて英語圏に行ったので、めちゃくちゃドキドキしたんですけど、頑張って喋りました。文章言い切ってないのに反応してくれるから、最後まで言わなくともいいんじゃないかって(笑)。

小玉:レスポンスが早いんですよ。

ーーミート&グリートをはじめ、現地の方と直接交流するイベントなども行っていますが、やはり日本とは反応が違いますよね?

三品:全然違いますね。海外のイベントならではなんですけど「Q&A」というものがあって。「メンバーに質問ある方は?」という形で進めるんですけど、躊躇わずにどんどん出て来てくれて……日本ではこうならないだろうなって思います。

廣川:日本だと時間が余っちゃいそうだけど、逆に足りなくなっちゃって「ごめんね」と言ってたくらいなので。カナダは今まで行った国の中でも、いちばん恥ずかしがらなかったです。「イエーイ!このポーズして!」ってノリで伝えてくれたりとか、すごかったですね。私たちも日本人だということを忘れてはしゃいでました(笑)。

ーーカナダは、フランスやタイと比べると、アイドル自体があまり知られていない印象もありますけど。

三品:アイドル文化の浸透自体は全然なかったですね。今回、はじめてJ-POPを聴いたけど、すごくよかったと言ってくれた方もいたり。アイドルのライブって、ファンの方が合いの手を入れてくれる“コール”っていうのがあるんですけど、カナダではそれがなくともペンライトを持って一緒に腕を振ってくれたり。純粋に音楽を楽しんでくれていました。

松田:1時間くらいしっかりライブをさせてもらったんですけど、最後まで見てくれる現地の方がすごくたくさんいたので、嬉しかったです。カナダには行ったことはなかったので、集まってくれるかどうか不安があったんでですけど、1000人以上の人たちが集まってくれて、ものすごく嬉しかったです。

ーー北米自体がはじめてだったんですよね。

廣川:はい。なので、アメリカから来てくれた方も多かったんですよ。「やっと会えたね」なんて言ってくれたり。

ーーライブで印象に残ったことはありましたか?

廣川:最後に「スーパーありがとう」という曲を披露したんですけど、「ありがとう」という言葉はわかるみたいで。ステージからみんなが「ありがとう」って口ずさんでくれているのがわかって、ものすごく嬉しかったですね。

ーーちなみに海外の方も「うるちょこ」と略すんですか?

廣川:言ってるよね?

三品:(巻き舌気味で)ウルゥチョコー!

松田:“Ultra Miracle-cle~”っていう、ロングのバージョンは結構よく聞きますね。

廣川:「ウルチョラ」って言う(笑)。ウルチョラ、ミラクゥクゥーー

小玉:ファイナゥ、アルティメッーー

坂元:チョコォォー

全員:ビーーーム!!

廣川:発音がいいからカッコよくて、私たちが知ってるのと違う(笑)。

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