『5IVE』インタビュー

DOBERMAN INFINITYが語る、“5人で歩んできた5年間”の絆「誰ひとり欠けていたくない」

 今年6月24日で結成5周年を迎えるDOBERMAN INFINITYが、その2日後の6月26日にキャリア初となるベストアルバム『5IVE』をリリース。5人で歩んできた5年間の集大成イヤーを盛り上げる1発目の狼煙を上げた。7月14日には3回目となる主宰フェス『D.Island 2019』を横浜・山下埠頭 特設会場にて開催し、11月にはデビュー以来の目標だったアリーナツアーも決定するなど、彼らの勢いは増すばかりだ。今回のベストアルバムではアリーナツアーに向けたおさらいを促しつつ、予習として新曲も6曲収録。DOBERMAN INC時代の盟友TOMOGENと後輩のBALLISTIK BOYZを客演に迎えた話題の曲「D.I till Infinity feat.TOMOGEN, BALLISTIK BOYZ」も収められている。今回の新曲に5人はどんな思いを込めたのか。5年間でターニングポイントになった曲や『D.Island 2019』に向けた意気込み、さらにアリーナツアーに向けた展望も語ってもらった。(猪又孝)

P-CHO「ぶちかましている姿をイメージ」

――今回のベストアルバムは過去のシングル曲を中心にしつつ、新曲が6曲も入っていることが嬉しい驚きでした。

SWAY:曲は常に作っているんですけど、リリースもせず、溜まっていき、気付いたら6曲もあったんです。ただ「5IVE」だけはこのベストアルバムのために作りました。

KUBO-C:あとはタイアップで使ってもらってた曲もあるので、それをどこに収録していくか? というところもあって。このベストに収録するのがいいタイミングだろうと判断しました。

――書き下ろしの「5IVE」はどんなイメージで作ったのでしょうか?

P-CHO:「5IVE」はO.M.W(OLDMAN WILDEN'/P-CHO、JAY'ED、NAOtheLAIZAによるプロデュースチーム)としてプロデュースさせてもらいました。今年のドーベルのテーマが「5IVE」なんです。5人で歩んできた5年間をぶつける1年。そのため、5人が夢だったアリーナのステージに立って思いっきりぶちかましている姿をイメージして作りました。

――悲願だったアリーナツアーをド派手に盛り上げる曲になりそうです。

P-CHO:この5人だから、ひとりでは見られなかった夢を見ることができたし、ひとりでは叶えられなかった夢を叶えることができた。今まで音楽をやってきて、別れたくなかった人と離れることも経験しましたけど、僕がこの曲でいちばん大事にしたかったのは、この夢を叶えるときには誰ひとり欠けていたくないという思いなんです。僕らはいつもライブ前に円陣を組むんですけど、5人の5本指が重なってる姿をイメージしたし、スタッフも、仲間も、ファンの人たちが僕らに向けて掲げてくれる手も含めて、自分たちが5年掲げてきた夢の景色を全員で見たい。その思いをこの曲に込めたんです。

――リリックはP-CHOさんがひとりで書いたんですか?

P-CHO:言いたいことが溢れだしてきたので全部僕が書きました。冒頭のKAZUKIのパートは壁にブチ当たったイメージ。DOBERMAN INC時代にTOMOGENが辞めるとなって、そのとき感じていたことを歌詞に入れたんです。夢なんてクソ喰らえと歌ってますけど、どういうことや! みたいに捨て鉢になったこともありますし。でも、この5人が集まったときに凍っていた氷が一気に溶けたような感覚になったんです。止まっていた時間が動きだした。だから、KAZUKIの次にビートが鳴り出すところはそういうイメージで描きました。そして、ラップパートに入ったら5人がもうアリーナのステージに立っている、みたいな。そういう歌詞の流れがパッと浮かんだんですよね。

――本作には、TOMOGENさんとBALLSTIK BOYZを迎えた「D.I till Infinity」という新曲も入っていますね。

GS:BALLISTIK BOYZは結成前の人選の段階から関わらせてもらってるんですけど、改めてBALLSTIK BOYZとドーベルで新旧の橋を架ける曲を作るのもいいんじゃないかと話してたんです。そしたらHIROさんが「TOMOGENも入れてやったら面白いんじゃないの?」ってポンとアイデアを出してくださって、「え!? それアリなんや」って。逆に自分たちからは浮かばなかったことなので、HIROさんの一言で「これは面白いことができるぞ」と思いました。

――この曲は昨年の日本武道館ワンマンで初披露され、ステージにTOMOGENさんが登場したことも話題となりました。オリジナルメンバーの3人は、武道館でTOMOGENさんと一緒にステージに立って、どんな思いでしたか?

P-CHO:TOMOGENが出てきたときの歓声がすげえと思わへんかった? 武道館がどよめいたときに「おぉー!」って、俺もステージに立ってて思いました。

GS:あのときはあえて衣装も白Tにしてダボダボのパンツでティンバーランドを履いたんですよ。

――INCがデビューした頃、2000年代初頭に流行っていたファッション。

GS:そう。当時のB-BOYのファッションで(笑)。それもあってかINCの頃が走馬灯のように甦ってきて感慨深い瞬間でしたね。武道館で当時のことを思い出すっていう。

――ライブではDJがINC時代の曲を次々にかけていって、パッと音が止まったところで白T姿の3人が登場。そこにTOMOGENさんを呼び込んで、「O-TOWN SWINGA」を歌いました。

GS:「O-TOWN SWINGA」は、当時もすごく盛り上がる曲だったんです。しかも、TOMOGENとMABUで書いてる曲で、僕らはもともと参加してないんです。その曲を改めて間近で聞いて武者震いしました。そこにSWAYとKAZUKIが加わって、さらにBALLISTIK BOYZ が出てきて……という。なんか天国から自分が生きた歴史を眺めてるような感覚でした(笑)。それくらい歴史がいろいろ詰まってて。

KUBO-C:しかも、「D.I till Infinity 」にはINC時代のリリックを結構使ってるから。

P-CHO:そう。DOBERMAN INC時代のリリックを、あえてBALLISTIK BOYZ のところに入れたりとか。

――SWAYさんとKAZUKIさんは「D.I till Infinity」の途中でコールされてステージに登場しましたが、あのときはどんな気持ちでしたか?

SWAY:僕はステージよりも、リハーサルのときの方の印象が強いですね。リハのときもイヤモニしてたんですけど、INCのアーカイブからどの曲をやるか? って4人で話してる様子が聞こえてくるんですよ。あの時間と会話が何とも言えなかったですね。

KAZUKI:普段5人でやってるときは、音楽を伝えるうえで上下関係はないと思ってるんですけど、あのときばかりはさすがに格下の小僧が出ていく感じでしたね(笑)。TOMOGENさんと一緒にステージに立てることはないと思ってましたからそこに自分が入っていくのは不思議だったし、「うわ、すげえところに今から歌いに行くんだな」と4人の後ろ姿を見ながら思ってました。

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