IZ*ONEら所属事務所が悪質書き込みに法的措置へ 韓国アイドルファンのSNSとの向き合い方

韓国アイドルファンのSNSとの向き合い方

 このようなネット上の特性から、韓国のアイドルファンの間ではSNS上でのアンチ発言やデマを発見した場合はスクリーンショットなどで保存しておくという働きかけがある。ネットでの動向に最も敏感なのはファンで、事務所が裁判の材料としてそのような「証拠集め」を呼びかけることが多いからだ。実際、それが証拠の一つになり、誹謗中傷やデマの書き込み主が裁判で有罪になるケースも増えている。最近も歌手のチョン・ジュニョンが所持していた盗撮動画に特定のアイドルグループメンバーがうつっていたというデマを流布した複数の人物が、裁判で有罪になったという報道があったばかりだ。しかしデマや中傷の書き込み主が有罪になったとしても、一度ネット上に流された情報から付けられた印象を簡単に書き換えることは出来ない。過去にはヒップホップグループ・EPIK HIGHのリーダー・Tabloのように学歴詐称をしているというデマがネットで広まり、同級生の証言や卒業アルバム、スタンフォード大学長の証言などの証拠まで明らかになったにも関わらず、ほとんど芸能活動が出来なくなる事態まで追い詰められたこともあった(参考:Kstyle)。デマの流布主が逮捕されて有罪になったにも関わらず、現在でもこの噂を信じる人が集まるネットコミュニティは存在するという。

 アイドルファンに限らず、Twitterなど自分でタイムラインを形成できるSNSでの情報収集では、無意識のうちに自分が見たい、あるいは自分の思想に沿うような情報だけを取捨選択してしまいがちだ。そのような場所で自分の目に入る情報は偏りがあり、それが世に中の全てではないということは心に留めておいた方が良いだろう。また、SNS上では、情報の真偽よりもいいねやRTなどの“共感”とみなされる印が多いこと=正義である、という価値観に支配されがちだ。特に言語的な壁のある海外の情報に関しては翻訳アプリを使用する等、ある程度自分で情報源を確認する方が誠実だろう。そしてそのソースが明記されていない情報に関しては、そのまま信頼するべきかどうか一度立ち止まって考えてみてから扱うべきかもしれない。

■DJ泡沫
ただの音楽好き。リアルDJではない。2014年から韓国の音楽やカルチャー関係の記事を紹介するブログを細々とやっています。
ブログ:「サンダーエイジ」
Twitter:@djutakata

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