Shuta Sueyoshiが体現した『WONDER HACK』の世界 幕張メッセを自分色に染めた夜

 全国13カ所で行われてきたShuta Sueyoshiのツアー『Shuta Sueyoshi LIVE TOUR 2019 [WONDER HACK]』が、5月12日に千葉・幕張メッセでファイナルを迎えた。1月にリリースしたアルバム『WONDER HACK』の楽曲をメインに全19曲を披露したステージは、圧倒的なダンスパフォーマンスや切ない歌声を聴かせたほか、ダンサーと共に繰り広げるコミカルなアクトパフォーマンスや『仮面ライダージオウ』とのコラボ、さらに新曲「With Me」の披露もあるなど、実にバラエティに富んだ内容になった。赤外線による遠隔操作付きの“ブレスレットライト”による一体感もあり、まるでShutaの脳内に迷い込んだようなエンターテインメントに満ちた演出の数々で、観客は彼の世界観に浸って楽しんだ。

仮面ライダージオウとShutaがハイタッチ

Shuta Sueyoshi

 アルバム『WONDER HACK』の収録曲「WILD」で幕を開けた序盤は、ダンスチューンを次から次へと解き放ち、圧倒的なダンスパフォーマンスで魅せてくれた。黒いフードを被ったストリートスタイルで登場したShutaは、「WILD」のアッパービートに乗せてラップやシャウトを繰り出す。CO2ガンからスモークをまき散らすなど、実に攻撃的なステージングで観客を沸かせると、「Shall We!!」では〈遊ぼうぜ音に乗れ〉〈躍れ躍れ〉と歌い、観客はリズムに乗りながら嬉しそうにぴょんぴょん飛び跳ねた。「さあ始めようか、幕張。この最高のステージを前にして、明日のことなんか考えるなよ。しっかりついてこいよ!」。自信たっぷりのShutaの言葉に、会場は歓声で応えた。

 「後悔はさせない。ハッピーな気持ちで帰らせてあげるよ。灰になってもいいくらいの気持ちでやるから。絶対離れるなよ!」。まるで告白するようなセリフに沸いた女性ファン。それを抱きしめるように、続けて切ないラブソングを繰り出した。

 裏腹な軽快なリズムをよそに、歌詞の切なさを噛みしめるように天を仰いで歌った「エルモ」では、流れるようなフェイクも聴かせる。雨音で始まった「愛色に染めた」では、ダンサーの傘を使ったパフォーマンスが楽曲の世界観を演出。スタンドマイクを握りしめながら目を閉じて歌い、〈バイバイ〉とつぶやいて、最後には膝をついて座り込んだShuta。悲しい別れに打ちひしがれた主人公になりきった姿に、客席からは感動の拍手と歓声が沸き起こった。

 後半のアクトコーナーの前でも、プロジェクションマッピングの映像や映し出される歌詞をバックにパフォーマンス。アコースティックなサウンドと共に英語の歌詞をしっとりと歌った「Human」では、それをうっとりと見つめた観客。「My First Love」では、リリックビデオのように歌詞が映し出され、「体温」ではエレクトリックなバラードのサウンドが広がると、囁くように歌う浮遊感のあるボーカルで観客をその世界に引き込んだ。

 中盤の「アクトコーナー」では、遊び心が満載されたパフォーマンスで会場を沸かせた。まずはダンサーがオタク風男子に扮装して登場し、ダンス対決を繰り広げた。そこへShutaが参加し、あざと可愛い笑顔が画面に映し出されると女性ファンの歓声が響く。その後Shutaはバク転をはじめとするアクロバットを披露したほか、ダンサーと共にサイリウムを回すオタ芸も披露して会場を沸かせた。また、画面に現れるポイントにタイミングを合わせて観客がクラップする、リズムゲーム風の演出もあった。Shutaはナレーションで観客を導き、参加型のアトラクションに観客も大興奮の様子だった。

 テレビ番組『仮面ライダージオウ』の主題歌「Over “Quartzer”」を歌った際には仮面ライダージオウがゲストで登場し、Shutaとジオウがハイタッチしたシーンは激アツだった。ジオウは、「オレにまかせろ!」とばかりに、アッパーのサウンドに合わせてステージ上でバトルを繰り広げる。炎が噴き上がるステージで、最後にはShutaとジオウがシンクロしたダンスでキメて、「かっけ〜!」と憧れの眼差しでジオウを見送った。

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