『4REAL』インタビュー
TAKAHIRO×HISASHIが語る、ACE OF SPADESの軌跡「メンバーの結束も強くなった」
TAKAHIRO(Vo/EXILE)、HISASHI(Gt/GLAY)、TOKIE(Ba/Cell no.13、THE LIPSMAX、LOSALIOS、unkie)、MOTOKATSU MIYAGAMI(Dr/NO,NO,NO、THE MAD CAPSULE MARKETS)からなるバンド、ACE OF SPADESが1stフルアルバム『4REAL』を2月20日にリリースした。
2012年の活動スタートから約6年を経て発表される本作には、デビュー曲「WILD TRIBE」、映画『HiGH&LOW THE RED RAIN』の主題歌「TIME FLIES」(ACE OF SPADES×PKCZ® feat. 登坂広臣)のほか、すでにライブで披露されている「Lookin' for」「Dream in the Mirror」、さらに「Vampire」などの新曲を含め全13曲を収録。「音楽界のアベンジャーズみたいなメンバー」(HISASHI)というコメント通り、凄腕のメンバーたちによる化学反応が体感できる作品に仕上がっている。
リアルサウンドでは、TAKAHIRO、HISASHIにインタビュー。アルバムの制作、初の全国ツアー『ACE OF SPADES 1st. TOUR 2019 "4REAL"』の展望などについて語ってもらった。(森朋之)【最終ページに読者プレゼントあり】
TAKAHIRO「『LUNATIC FEST. 2018』で自信がつきました」
ーー1stフルアルバム『4REAL』がリリースされました。これまでのACE OF SPADESの軌跡が刻まれた作品ですが、まずはおふたりの手応えを教えてもらえますか?
HISASHI:どうですか?
TAKAHIRO:え、僕からですか(笑)。そうですね……6年越しであり、AOSにとって初のアルバムなので、満を持してという感じがしていますし、「ACE OF SPADESとしてアルバムを出して、ツアーをやる」というのが目標でもあったので、ついに夢が叶ったなと感じています。
HISASHI:アルバムの話はメンバーと会うたびに出ていたんですよ。映画の主題歌だったり、単発で制作することが続いていたので、「いつかまとめたいね」と。実際にアルバムの制作が始まったのは、昨年6月の『LUNATIC FEST. 2018』の後。ライブもすごく良かったし、「この勢いを形にしないのは、もったいないな」と思って。まずプリプロ(レコーディング前の仮録音)をやったんだけども、本番で使えるくらいのクオリティを目指していたんです。曲もシンプルなものが多いし、録音期間は短かったと思います。
ーー『LUNATIC FEST. 2018』への出演が、ひとつのきっかけだったと。
HISASHI:そうですね。
TAKAHIRO:ロックフェスに出させてもらうこと自体が初めてだったので、緊張感もあったんですけど、思った以上に温かく迎えて入れていただいて。その後のGLAYさんのステージがものすごくて、爆発的に盛り上がってたんですよ。そのとき、「HISASHIさんがいるから、ACEも受け入れてもらえたんだな」と(笑)。
HISASHI:いやいや(笑)。
TAKAHIRO:EXILEのライブとはまったく違う雰囲気だったし、あのステージをやり遂げたことで、さらに自信がつきました。その勢いは、このアルバムにも繋がっているかもしれません。
ーー2012年の始動から6年経って、バンド自体も進化しているでしょうね。
TAKAHIRO:はい。この6年の間、数は少ないけど、制作やライブなどもあって。そのなかでチームワークも良くなってきたし、ACE OF SPADESらしさも色濃くなっていると思います。
HISASHI:“音楽界のアベンジャーズ”みたいなメンバーで、個々が完成されているんですよ。TOKIEさんのベース、MOTOKATSUさんのドラムも絶対にブレないし、一緒に音を出せば、ACE OF SPADESの音になる。そこは2012年から変わってないと思います。アルバムの制作に関しては、これまでは硬質なサウンドが多かったから、TAKAHIROくんのポップなキャラクターを活かしたいと思っていて。TOKIEさんがダークな曲を作ってくれることもわかっていたし、僕はポップな雰囲気の曲を作ってましたね。
TAKAHIRO:宿題があったんです。「ひとり1〜2曲は持ってくる」という。
ーーメンバー全員の個性がさらに活かされて、バラエティに富んだ楽曲が揃ったと。MVが話題を集めている新曲「Vampire」はHISASHIさんらしいブッ飛んだポップネスが感じられる楽曲です。
HISASHI:ライブの楽しそうな雰囲気が見えたらいいなと思ってました。ポップなんだけど、じつはゴリゴリにロックなサウンドだったりもして、自分としてはオーソドックスな作曲のスタイルなんです。おもしろい転調もあるし、TOKIEさんのボーカルも入っていて、楽しめる曲になったかなと。
TAKAHIRO:確かにポップな雰囲気なんだけど、歌詞に社会性があったりもして、自分としては「深みがある曲だな」と思っています。MVもおもしろい仕上がりだし、ACE OF SPADESらしさと新しい魅力が感じられる曲になりました。
HISASHI:「LAST NIGHT」はTAKAHIROさんの曲なんです。最初のデモはワンコーラスしかなかったんだけど、「この曲はすごく良くなりそうだな」と思って。「GLAYだったら、ここでこういうコードに行くんだけど」みたいなエッセンスを加えて、メロトロンの音色でイントロを付けたり。
ーーなるほど。TAKAHIROさん、曲作りはどうでした?
TAKAHIRO:まずギターのコードとメロディを考えたんですけど、恥ずかしい話、どうしてもGLAYさんっぽくなってしまって(笑)。
HISASHI:ハハハハハ。
TAKAHIRO:作ってるときに「あれ? こういう曲、GLAYさんになかったっけ?」と思って、アルバムを聴き直したり(笑)。10代のときからずっと聴いているし、ファンなので。勝手にそうなってしまうというか。
ーーGLAYが音楽のルーツなんですね。
TAKAHIRO:大ルーツですね(笑)。
HISASHI:(笑)。でも、ルーツって拭えないからね。僕も10代の頃にBOØWYを聴いていて、いまも「このギターのフレーズ、布袋さんっぽいな」と思うことがあるけど、それを隠さないようにしているんです。自分が弾くとどうなるだろう? という楽しみもありますからね。「Vampire」の歌詞にも、BOØWYの「MORAL」の一節(人の不幸は大好きサ)を引用していて。つい耳が傾くような言葉を使いたいという気持ちもあります。