日向坂46、知名度アップの突破口はメンバーの“趣味”にあり? 齊藤京子、松田好花ら活躍から考える
アイドルに限定せずとも、趣味や特技というものは自身の素の表情を表に出しやすい要素だろう。それは、個人の趣味がそれぞれの個性や元来に培ってきた自信、さらにはパーソナリティ形成にさえ結びついている可能性が高いからである。丹生の例が顕著なように、趣味について会話する際には、逐一のコメントにもより具体性が伴って聞こえてくるに違いない。また、視聴者にとっても、アイドルの素顔を見られる絶好の機会だといえるほか、メンバーそれぞれの露出が増えることは、ひいてはグループの知名度向上にも還元されるかもしれない。その一方、日向坂46のなかには共演者の趣味嗜好に積極的な理解を示すことで、その存在感を強めているメンバーもいる。それが、松田好花だ。
松田はこれまで、柔和な人柄や献身的な努力家ぶりから、メンバーや多くのファンに愛されてきた。その強みを大きく開花させたのが、今年2月放送の『ひらがな推し』特別企画「『へのつっぱりはいらんですよ!』キン肉マンを習得しよう」である。同企画は、MCを務めるオードリーが番組内で“キン肉マン例え”を挟む際、その世代差からメンバーが思わず閉口してしまうことへの対策に。メンバーは事前に、同作のコミックス版を読み進め、オンエアに臨んでいた。
予習の成果を試すべく、番組内ではオードリーが次々と『キン肉マン』になぞらえた小ボケを披露。そのマニアックぶりに静まるメンバーもいたなか、彼らのネタにいち早く反応を示して、率先してスタジオを盛り上げていたのが松田だった。また『キン肉マン』では、読者が考えた“超人”も採用されていたことになぞらえ、彼女たちもオリジナル超人を考案。渡邉が「ごはん横取りマン」、新加入の上村ひなのが「ぐるぐーるマン」などを見せるなか、松田は「火羅駕那」(読み:ひらがな)を披露した。同キャラクターは、身体のパーツに“ひらがなけやき”の“ひ”や“ヒ”を盛り込んでいるほか、「手と足から炎が出る」といった設定も。この詳細さには、企画の発端であるオードリーも賞賛するばかりだった。
同企画は、作品のメインターゲット層と離れたアイドルグループと交差する意外性があったからこそ、大きな反響を呼んだのだろう。『キン肉マン』作者ユニットの1人であるゆでたまご・嶋田隆司も、オンエア終了後にコメントを残すほどだ(参考:ゆでたまご嶋田 Twitter)。同オンエアでの松田は、メンバーとMCがさらなる親睦を深める一翼を担うのみならず、グループ全体に多くの注目を向けさせる役割を担っていた。彼女もまた、今後の日向坂46における重要な存在であることは言わずもがなだ。
それぞれが独自の突破口から知名度を上げていくだろう日向坂46メンバー。グループ活動のみならず、彼女たちが個人でも放つ“ハッピーオーラ”からは、もう誰も目が離せない。
(文=青木皓太)