『ぺっとぼとレセプション』インタビュー

ましのみ『ぺっとぼとレセプション』は“聴き手に寄り添う”作品に 楽曲制作に活かされた経験と成長

【ましのみ】フリーズドライplease(ほぼFull Ver.)【MV】

 「使う言葉や表現をより意識して選んだ」という言葉にもあるように、作詞に関してもましのみ自身の人間的成長が反映されている。しかし、歌われているテーマに関して彼女は「テーマはそのときどきの価値観、考え方に則していて全部に嘘がないので、自分では変わってないと思ってます」とも語る。

「本当の意味での成長って、もしかしたら気づかないうちにしているものなのかなって、今話していて思いました。基本的な軸はデビューしたときから変わっていないはずだけど、今回は特に聴き手に寄り添ってみたいと思ってテーマを課して、そういう言葉や表現の選び方をした曲がある。そういう意味ではこれまでとは違う角度で歌詞が書けるようになって、表現の幅も広がっているのかもしれませんね」

 メジャーシーンでの活動に加え、年齢を重ねたことで物事の捉え方、考え方が成長し、それまで許容できなかったものが受け入れられるようになり、曲にして歌えるようになった。1stアルバムに収録されている「ナンセンスに逆戻り」は彼女の大学時代の友人からの悩み相談がモチーフの、「見える相手」に対して歌った楽曲だった。この曲を聴いた友人は「すごく大切な曲になった。大好きな曲だよ」とましのみに告げたそうだが、そこから得た喜びから「私のやりたいことは聴いている人を、マイナスから少しプラスに、楽しいんだったら最高に楽しくと、音楽でプラスを生み出すこと」と気づく。その軸は今も変わらず、ただ届ける相手……「見える相手」がより身近な存在から全国規模へと広がっただけなのだ。

 ましのみは最後に「今まで聴いてくれていた人たちはもちろんですけど、さらにいろんな人たちを引き込めるアルバムになったんじゃないかな」と語ったが、この『ぺっとぼとレセプション』は間違いなくそういうアルバムに仕上がった。あとは受け手がこのアルバムに、収録曲の数々に何を感じ、何を思うのか……今からそのリアクションが楽しみでならない。

■西廣智一(にしびろともかず) Twitter
音楽系ライター。2006年よりライターとしての活動を開始し、「ナタリー」の立ち上げに参加する。2014年12月からフリーランスとなり、WEBや雑誌でインタビューやコラム、ディスクレビューを執筆。乃木坂46からオジー・オズボーンまで、インタビューしたアーティストは多岐にわたる。

■ツアー情報
『ぺっとぼとリテラシー vol.3 ~レセプションパーティー in OSAKAでひとつになりまショータイム~』
3月15日(金)大阪・アメリカ村 BEYOND

『ぺっとぼとリテラシー vol.3 ~レセプションパーティー in TOKYOでひとつになりまショータイム~』
3月21日(木祝)東京・渋谷ストリームホール

イープラス
ローチケ
チケットぴあ

■リリース情報
『ぺっとぼとレセプション』
2月20日(水)発売
初回限定盤(CD+DVD)¥3,500(税込)
通常盤(CD ONLY)¥3,000(税込)
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