Hey! Say! JUMPのコンサートを裏で支える熱い思い 若手スタッフ密着したドキュメンタリー第1回

予期せぬトラブルーー限られた時間の中での葛藤

 特殊効果を担当する矢部さん。通称「特効」と呼ばれるセクションだ。スクローラーと呼ばれるステージ上に吊るし、紙吹雪などを降らせる演出や、スパークラ―と呼ばれる演出的に魅せるスモーク、コンサート中に放たれる銀テープの演出も携わっている。一見派手な仕事だが裏方では地味な作業も多く、重い機材の搬入もこなしている。この仕事を目指したきっかけを「ピアノや吹奏楽などすっと音楽をやっていて小さい頃から音楽に携われる仕事がしたかった。初めてコンサートに行った時に火や銀テープなどの特効が印象に残り、絶対に携わりたいと思った」と話す。

 倉持さんは音響のステージチーフとして本番中はアーティストの全ての動きを把握し、マイクやイヤーモニターの受け渡しを行う。音響の仕事について「本番では感情が動くシーンがたくさんあると思うが、それを邪魔せず感動すべき場所では感動する音を、楽しい時にはテンションの上がる音を出すようにしたい。ある意味違和感を作っちゃいけない仕事なのかな」とこの仕事のやりがいを口にする。

 特殊機構に携わる福田さんたちは複雑に動くステージを作るのが仕事。今回は大きく動くステージが見せ場となっているが、福田さんはメインステージに仕込んだリフターと呼ばれる昇降装置の操作を任された。「スケールの大きい仕事をしているな」とこの仕事の醍醐味を実感。矢部さんは「念願のツアーは緊張と不安でいっぱいですが何とか食らいついて一生懸命頑張りたい」と真摯な姿勢で挑む。

 番組では紙吹雪が固まらないようベビーパウダーを仕込む様子や、滞空時間が長くなるよう、さらに乱反射でキラキラ輝くよう手で折り目をつけている様子も紹介。ふと会場に降ってきた金銀の紙吹雪に折り目がついていたことを思い出す。一瞬の演出にもスタッフの手間がかけられて美しい風景となって皆の心に刻まれていたのだと知った。そんな矢部さんたちの前にトラブルが。照明や特殊効果の機材を吊るす円形トラストが上がらない。舞台監督の髙橋久幸さんも首をかしげる。原因は一体どこにあるのか……。

 最高のショーを作り上げようとすればそこに立ちはだかる壁もまた高い。彼等の行く末に待ち受けているものとは。そして果たして無事にコンサートの初日を迎えることができるのだろうか。舞台裏のスタッフの熱い思いが伝わる次回に期待したい。

■北村由起
ライター・エディター。出版社勤務、情報誌編集長を経てフリーに。情報誌、webマガジン、ムック等を中心に執筆。ジャニーズウオッチャー。

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