BTS、“フィーチャーされる側”としての人気も? スティーヴ・アオキとの3度目のコラボから考察
BTSと欧米の注目ミュージシャンとのコラボレーションといえば、先日発表されたRMのソロ作『mono.』ではイギリスのエレクトロデュオ・HONNEが楽曲提供を行っている。HONNEがトラックを手がけた「seoul」は、メロウで温かいディスコサウンドで人気を集める彼ららしい、少し霞んだような音像で綴られるミッドテンポのバラードだ。BTS本体やスティーヴ・アオキとのコラボレーションでの、いかにもメインストリームのポップス然としたプロダクションとは打って変わり、しっとりとした親密さを感じさせる。
こうした親密なムードはHONNEの提供曲に限らず、作品全体に通底するものだ。RMが2015年にリリースしたミックステープ『RM』が、リリックの内容もビートの選び方もアメリカのヒップホップシーンを意識したつくりになっていたことと比較すると、Rap MonsterからRMへ改名した彼のモードの変化が如実に見える。あえてミックステープではなく「playlist」と銘打ったコンセプトや、アトモスフェリックで内省的なトーンも相まって、ドレイク『More Life』以降のポップミュージックの流れを見据えた作品に仕上がっている。
この1年で世界的なポップスターとして知名度を飛躍的に伸ばしたことで、BTSの活動の中に今後もこうしたコラボレーションやフィーチャリングが増えてくる可能性は高い。自身の楽曲に有名なシンガーやラッパーをフィーチャーするだけではなく、むしろフィーチャーされる側としてもBTSが人気を得ることに期待したい。
■imdkm
ブロガー。1989年生まれ。山形の片隅で音楽について調べたり考えたりするのを趣味とする。
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