『オレンジ色』インタビュー

ChouChoが「オレンジ色」で表現した青春時代の情景「未来に寄せる希望がここに込められている」

 『ガールズ&パンツァー』や『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』など人気アニメのテーマソングを歌う人気のシンガー・ChouChoが、ニューシングル『オレンジ色』をリリース。表題曲は、NHKで放送中のTVアニメ『ツルネ ―風舞高校弓道部―』(以下、『ツルネ』)のエンディングテーマで、京都アニメーションが制作していることでも話題だ。そんな注目アニメのエンディングを彩る楽曲「オレンジ色」は、青春時代のさまざまな想いを「オレンジ色」という言葉で表現した極上のバラードに仕上がった。ChouCho自身弓道部の出身ということで、同アニメに強くシンパシーを感じて制作したと話す。また、カップリングには、自身が作詞作曲を手がけた、表題曲とは対照的なクールで激しいナンバー「still」を収録。今回のシングルの制作にかける想いを聞いた。(榑林史章)

日常系や青春系の作品に合う声

ーーアニメ『ツルネ』のED主題歌「オレンジ色」を担当するChouChoさん。原作小説を読まれたとのことで、どんな印象でしたか?

ChouCho:『ツルネ』は高校の弓道部のお話で、私も高校の3年間弓道部に所属していました。『ツルネ』を読むと弓道の描写がとても繊細で、空気感まで見事に描かれていたことに驚きました。弓を構えた時や、的を射た時の感覚や映像が頭に浮かんで、当時の状況がよみがえりました。弓道の経験がない方でも、「弓道はきっとこんな感じなのかな」と、想像してもらいやすいと思います。

ーーChouChoさんは、どうして弓道部に入ろうと思ったのですか?

ChouCho:袴姿が、すごく格好いいと思ったんです(笑)。当時私は宮崎に住んでいて、都城というところは和弓の生産が盛んで、毎年「都城弓まつり全国弓道大会」が開催されるほど、弓道が根付いている地域です。だから弓道が身近だったのもあったし。高校に入学したての頃に、部活紹介で観た弓道部の先輩の袴姿がすてきで、「私も袴を着たい!」と思って入部しました。

ーー実際に入って、弓道は楽しかった?

ChouCho:すごく楽しかったですよ。弱小弓道部だったので、体育会系独特の厳しさはなくて。アットホームな感覚でみんなとワイワイしながら、楽しく弓道をやっている感じでした。そこは『ツルネ』の真剣な世界観と違いますけど。

ーー『ツルネ』という題名は、弓を放つ瞬間の音(弦音)とのことですが、どういう感じの音なのでしょうか。

ChouCho:「ビンッ」って感じでしょうか。弦を弾く音で、私の中では「凛とした音」という印象です。弓道には独特の用語が多いのですが、「弦音」という言葉は私の中でも印象深く残っていたので、作品のタイトルとして『ツルネ』という言葉を見た時に、とても心に響くものがありました。

ーー弓道部時代のことで、何か印象的に覚えていることはありますか?

ChouCho:試合の時のことは、よく覚えています。『ツルネ』の中でも描かれていますが、試合の時の空気は本当に緊張感があって。静まりかえった中で弓を放つ瞬間の感覚は、弓道を離れて何年も経った今でも、リアルに思い出せるくらい印象に残っています。ライブの緊張とも違う、他の武道やスポーツでは感じられない特殊な感覚だと思います。

ーー自分自身との戦いみたいな感じですね。

ChouCho:そうですね。自分の集中力との戦いです。今思えば、楽曲制作やレコーディングの時の集中力は、この時に鍛えられたものなんだろうなって思いますね。

ーーChouChoさんがこれまでテーマソングを担当されてきたアニメは、今回の『ツルネ』を含めて、青春を題材にしたものが多いですが、それはどうしてだと思いますか?

ChouCho:私の声質がパワー系ではないので、アクションやバトルの作品よりも、日常系や青春系の作品に合うんだろうと客観的に思います。

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