HYDE「FAKE DIVINE」で“大人のハロウィン”表現 ロック~ヴィジュアルシーンとテーマの相性
10月19日に放送される『ミュージックステーション 2時間SP』(テレビ朝日系)にHYDEが出演し、「FAKE DIVINE」を披露する。「FAKE DIVINE」は「大人のハロウィン」をテーマに、疾走感と刹那を感じさせるロックチューン。MVはこれまでHYDE作品のMVや映画『下弦の月~ラスト・クォーター』でもタッグを組んだ二階健が監督を務めた。ファンにとっても馴染みのある作風で、HYDEの楽曲の世界観や魅力を最大限に引き出している。
10年以上に渡ってライブイベント『HALLOWEEN PARTY』を主宰しているHYDEにとって、この時期に「ハロウィン」をテーマとした楽曲を発表することは、ごく自然なことだ。2012年・2013年には、DAIGOやAcid Black Cherry、明希(シド)らと共にHALLOWEEN JUNKY ORCHESTRA名義でシングル『HALLOWEEN PARTY』をリリースしている。しかしながら、HYDE名義でハロウィンをテーマに楽曲をリリースするのは初めてだ。
そもそも、HYDEが主宰しているハロウィンライブは、世間一般にハロウィン文化が浸透ーー渋谷のスクランブル交差点が仮装する人で溢れ返るよりも前、2005年から『HALLOWEEN OF THE LIVING DEAD』として開催されていた。『HALLOWEEN PARTY』となり定着してからは、出演者が本気の仮装でライブをすることが目玉となっていただけでなく、参加するオーディエンス側にも仮装がドレスコードとして課せられている。オフィシャルサイトにも毎年のように「仮装していただけないと…亡霊たちの機嫌が悪くなってしまいますのでご注意ください!」と記載されており、その一文からも仮装がマストのイベントであることが読み取れるだろう。幕張メッセ(国際展示場)ほどの広い会場でドレスコードを”強制”するライブイベントは珍しいが、「ハロウィンは仮装をして楽しむ」という文化が世間一般にまで浸透する以前に、この『HALLOWEEN PARTY』で盛り上がりを見せていたのである。
「仮装する=派手なメイク&普段着ではない格好で、自分ではない何かになりきる」という意味では、ロック~ヴィジュアルシーンのバンドにも通ずるものがある。そのため、特にヴィジュアル系バンドは「年中ハロウィンだ」と例えられることもある。この時期はヴィジュアル系バンドが仮装してライブすることも多く、SNSで検索するだけでも、レベルの高い仮装が数多く発見できること請け合いだ。また、近年では「年中ハロウィン」を地でいくミクスチャーバンド・Leetspeak monstersも登場しており、ハロウィンとの親和性の高さはますます顕在化しているといえる。
今年の『HALLOWEEN PARTY』開催も近づく中、HYDEはどのような演出で楽曲を披露してくれるのか。期待を高く持たずにはいられない。
■白乃神奈
フリーライター。ヴィジュアル系など、音楽ジャンルに囚われない音楽が好き。趣味はライブ、ダンス、キャラクターグッズ集め。座右の銘は「鶏口となるも牛後となるなかれ」。
Twitterアカウントは@flugzeug255