1stアルバム『Yeah!Yeah!』インタビュー
足立佳奈が語る、充実した活動で重ねた経験「あらゆることが歌に繋がっていく」
シンガーソングライター・足立佳奈の1stアルバム『Yeah!Yeah!』が10月17日に発売された。メジャーデビューから1年の間に、歌だけでなくドラマ出演やMCに挑戦し、“キムチ”や“TikTok”で話題を呼んだ彼女。充実の時間を改めて振り返りながら、その経験があったからこそ出来た本作の内容について聞いた。(編集部)
自分は何者なんだろう?っていうのはずっと思っています(笑)
――昨年8月にメジャーデビューして、あっという間に1年が経ちましたね。
足立佳奈(以下、足立):はい。1日1日が濃くて長かったなって思うんですけど、とにかく毎日が楽しかったです。
――振り返って、どんなことが印象に残っていますか?
足立:まずは、予約イベントやリリースイベントでいろんな地域の皆さんとお会いしたことですね。最初、「デビュー曲を持って全国回るよ」ってスタッフさんから言われた時、「誰も私のことなんて待ってないですよ!」っていうのが正直な感想だったんです。でも、1カ所目の茨城・土浦のイオンモールに行かせてもらった時、ビックリするくらいの人が会いに来てくれて、こんなに私を知ってくださってる方がいるんだ! っていうのにすごく驚いて。その後もイベントをやるたびに2回目、3回目……って来てくれる人がいて、それがどんどん自分の自信になっていった気がします。
――音楽以外の活動も盛んでしたよね。CMや連続ドラマ、東京ガールズコレクション(TGC)、大型ティーン向けイベントなど、いろんなところでお名前を拝見しました。
足立:ありがとうございます。この夏のドラマ『チア☆ダン』は、作品の中で踊れることがすごくうれしかったんですけど、私は高校時代、音楽高校に通っていて、バレエやジャズダンスを習っていたんです。だから、その時夢見たステージがドラマの中で叶ったのは大きな喜びだったなって。TGCやティーン向けイベントは、有名な女優さんやモデルさんに混ざって歌でステージに立たせてもらえたのが幸せでしたね。裏では「“キムチ”の佳奈ちゃんだよね?(※デビューシングル曲「笑顔の作り方~キムチ~)」って声を掛けてくださる出演者の方もいて、そうやって知らないところでも自分を知ってくださっているのは本当にうれしかったです。
――あと最近のニュースといえば、Abema TVの恋愛リアリティーショー『今日、好きになりました』10弾、11弾のテーマ曲で、7月に配信限定でリリースした「私今あなたに恋をしています」に合わせて踊る「今日好きダンス」がTikTokで話題になりましたね。トップTikTokerたちが次々と動画を投稿し、ドラマ『チア☆ダン』で共演した土屋太鳳さんと新木優子さんのダンス動画も数々のネットニュースに取り上げられるほど反響を呼びましたが。
足立:私、実はそれまでTikTokというものをよく知らなかったんです。「皆さんがやってくれてるよ」っていうのを耳にしてから初めてアプリをダウンロードしたくらいで。「今日好きダンス」はもともと番組(『今日、好きになりました』)の出演者の方が作ってくれて、それがSNSを中心に広まった形で、私が知ったのは結構後のことだったんです。
――え、そうだったんですか?
足立:はい。ファンの方から「佳奈ちゃんの歌でみんな踊ってるよ」って聞いて、最初はなんのこと? って(笑)。それで初めてアプリを開いたら、検索する前から(検索バーに)「足立佳奈 今日好きダンス」みたいな感じでバーッと出てきて、すごいビックリしたのを覚えています。太鳳さんと新木優子さんのダンスでさらに広まったのも大きいと思うんですけど、『今日、好きになりました』のテーマ曲に私を選んでくださった番組スタッフさん、その曲を受け入れてダンスを作ってくれた出演者の方、そしてそれを広めてくれた人、評価してくれた人全員に「ありがとうございます」って伝えたいです。
――そういう幅広い展開の中で、「足立佳奈」という波が世の中にどんどん広がっていった1年でしたよね。Twitterのフォロワー数も現在31万人を突破しています。
足立:私はもともと歌が歌いたくてCDデビューをさせてもらったんですけど、それ以外のところでも求めてくださる方、認めてくださる方がいるというのはすごくうれしかったし、勉強になりました。「佳奈ちゃんってタレントさんなの?」みたいな声もたまに聞こえてくるんですけどね。
――NHK Eテレ『国語表現』のMCや、大手企業のキャンペーンキャラクターなど、確かに活動的にはタレントさんと変わらない部分も。「自分は何者なんだろう?」って思ったりしませんでした?
足立:あー。何者なんだろう? っていうのは今もずっと思っています(笑)。
――あはははは。私、足立さんがここまで幅広い仕事をやっていくとはデビューの時に想像してなかったんで結構ビックリしたんですよ。
足立:ですよね(笑)。応援してくれる皆さんも多分そうだと思います。でも最初、歌が好きでずっと歌っていけたらなと思いつつ、それ以外にもいろんな世界が待っているんじゃないか……という気持ちも実はあって。だからマネージャーさんから「ドラマどう?」って聞かれた時はすぐ「やりたいです」って答えたし、バラエティも「やりたいです」、MCも「やりたいです」って感じで。
――提案してもらうお仕事には、全て二つ返事で引き受けてきたんですね。そこに不安や迷いはなかった?
足立:私、初めてのことはなんでもやってみないと気が済まないタイプなんです。挑戦して初めて向き不向きも分かったりするだろうし。だから基本は全部積極的に引き受けてきて、女優さん、モデルさん、タレントさん……と、その道のプロフェッショナルのお仕事を近くで見せてもらう中でいろいろ勉強させてもらいましたね。
――例えばどんなことを感じたんですか?
足立:この女優さんは本当にお芝居が好きで、魂を込められているんだなとか、そこにものすごい熱を感じることがあって。すると今度は自分のことを考え出すというか、「私は何が一番好きなんだろう? やっぱり歌かな。もっと歌で素直な想いを真っすぐ届けていきたい」……って、己を振り返るきっかけにもなるんです。
――いろんなお仕事を経験したからこそ、改めて歌への情熱を再確認した部分もあったんですね。
足立:そうですね。もちろん、どの分野のお仕事も本気でやらせていただいてはいるんですけど。あとは、いろんな現場で同世代の子に刺激を受けたり、悔しい想いをした時に、その感情を曲作りに生かせたことがあって。あらゆることが歌に繋がっていくんだなーというのが知れたのも大きな発見でした。