7thシングル『アンビバレント』インタビュー
欅坂46 菅井友香が語る、幾度の挑戦で芽生えた責任感と新たな決意 「パワーの源になりたい」
欅坂46が、7thシングル『アンビバレント』を8月15日にリリースする。
同作は、前作『ガラスを割れ!』から約5カ月ぶりのリリースとなる新シングル。表題曲「アンビバレント」をはじめ、「Student Dance」(全TYPE収録)、“I'm out”(TYPE-A収録)、“ハッピーオーラ”(TYPE-B収録)、「302号室」(TYPE-C収録)、「音楽室に片想い」(TYPE-D収録)、「日が昇るまで」(通常盤収録)が収録されている。
今年4月に行われた『欅坂46 2nd YEAR ANNIVERSARY LIVE』では、センター担当の平手友梨奈を欠いた状態でライブに臨み大成功を収めた欅坂46。さらに7月に富士急ハイランド・コニファーフォレストで開催された野外ライブ『欅共和国 2018』では、グループ活動からしばらく離れていた平手が復帰し、大きな話題を呼んだことが記憶に新しい。
リアルサウンドでは、欅坂46(漢字欅)でキャプテンを務める菅井友香にインタビュー。『アニバライブ』や『欅共和国』といった大型公演、坂道AKBでの他グループとの交流をきっかけに生まれたグループ内の変化をはじめ、“二律背反”を表現したという「アンビバレント」の制作秘話、そして8月21日に3周年を迎えるグループの現在地について、たっぷりと語ってもらった。(編集部)
平手ちゃんがいることですごく締まる
ーー『欅共和国 2018』は4月のアニバーサリーライブ以来の単独ライブでした。アニバーサリーライブは平手友梨奈さんが欠席したことを受け複数のメンバーがセンターを担当し、それによって皆さんの中でライブの向き合い方や意識に変化が芽生えたかなと感じます。
菅井:はい、それはあると思います。
ーーそこを踏まえて、この『欅共和国』ではお客さんにどういうステージを見せようと思いましたか?
菅井:アニバーサリーライブを経て、メンバー一人ひとりが前より責任感を持つようになったと感じることが増えました。そのうえで、『欅共和国』は去年すごく楽しかった思い出もあったし、今年も絶対に成功させたいって気持ちがみんな強かったので、リハーサルに向けてエンジンがかかるのも結構早くて。わりと早い段階で、みんなと意識を共有できていた気がします。それに、久しぶりに平手ちゃんと一緒にライブをできることもあって、みんな嬉しがっていたし。もちろん今もメンバー全員揃ってはいないんだけど、平手ちゃんがいないライブを経験したからこそ、センターにずっと立ってきた平手ちゃんがいることによるワクワク感もありました。
ーー平手さんは『欅共和国』の前にまず、『THE MUSIC DAY 伝えたい歌』(※7月7日放送・日本テレビ系)でグループに復帰して「ガラスを割れ!」を披露しました。その後も音楽番組や『JUMP MUSIC FESTA』(※7月8日、横浜アリーナで開催)などでパフォーマンスしましたが、そういう活動を重ねることでグループとして熱量を高めているような感覚もあったんじゃないでしょうか?
菅井:もちろんどの現場も変わらず全力で、そのときのベストを尽くそうという気持ちでやっていたんですけど、やっぱり平手ちゃんがいることですごく締まるなと思いましたし、久しぶりにセンターに立って踊ってくれたときは「ああ、この感じがすごく懐かしいな」って気持ちになりました。アニバーサリーライブで違う子がセンターを務めたときも、「みんなにこういう一面があったんだ」とか「このセンターもすごくいいな」とか思うこともたくさんあったけど、表現力やパフォーマンス力に関してはやっぱり平手ちゃんは本当にずば抜けているんだなと実感することも多くて。もちろん頼りすぎてはいけないんだけど、でも「ずっと私たちを引っ張ってくれていたんだな」って感じて……どの曲も平手ちゃんセンターに合うように書いてくださっていると思うので、やっぱり平手ちゃんが真ん中に立つとしっくりハマるというか、本当に主人公なんだなって感じますね。
集団行動は「シンプルだからこそ合わせるのが難しくて」
ーー『欅共和国』の話題に戻りますが、今年は3日間にスケールアップして、放水量もえげつないくらい激しくて(笑)。
菅井:濡れましたか?(笑)。
ーー高く放水した水が、時間差で後方にまで届いてしっかり濡れました(笑)。ライブ中はお客さん同様に、メンバーの皆さんからも自然と笑顔がこぼれてましたよね。もちろん笑顔になれる楽曲が多めにセレクトされていたのも大きいと思いますが、アニバーサリーライブと比較してとにかく笑顔が印象に残りました。
菅井:1曲目からすごく濡れる演出で攻めていたし、始まってすぐにお客さんもびしょびしょになったけど、メンバーも一緒にびしょびしょで、せっかく髪もキレイにセットしていただいたけど、それもすぐに崩れちゃったし、いい意味でどうでもよくなったというか(笑)。今が楽しければいいかなって気持ちで、自然と笑顔になっていました。ライブ中、移動で走ることが多かったんですけど、メンバーとすれ違うときもみんな笑顔で楽しそうだったし、自分も子どもに戻った気持ちで水をかけてました(笑)。
ーー野外ライブで、しかもスタート時はまだ明るかったのでお客さんの顔もよく見えたでしょうし。
菅井:「(水をかけられるのが)嫌だったらどうしよう?」と思っていたんですけど、皆さん積極的に「水をかけて!」ってアピールしてくださったので容赦せずに、なるべく遠くまで届くように水を振り撒きました(笑)。去年よりも大掛かりなセットを組んでいただいて、70メートルも飛ぶようなウォーターショットとかバブルマシンとか新しいアイテムが増えたので、大規模な野外ライブができるこの環境をありがたいと思いながら楽しみました。
ーーオープニングとエンディングでは、“集団行動”も披露しました。別のインタビューでお話を聞いたときに、あれが一番大変だったとおっしゃっていましたよね?
菅井:本当の集団行動はもっときっちり揃っていて、完璧にするまでには何年もかかるそうなんです。私たちは見本となる映像を観させていただいて「これ以上のものを作りたい」と言われてから練習を始めたので、最初はその難しさに戸惑いました。ただ一列に並んで歩くだけでも、一人ひとり身長も歩幅も違うから、合わせるのが本当に大変なんです。
ーーライブ中、スクリーンで上からの映像を観て思いましたが、形を一切崩さずに移動するのは本当に大変でしょうね。
菅井:動きの一つひとつが緻密に計算されていて、シンプルだからこそ合わせるのが難しくて。普段のパフォーマンスでも横一列に並んで合わせることが多いんですけど、そこは最初からずっと課題だったんですよ。なので、ここでの経験が今後にどんどん活かさせると思いますし、こうやってライブで新しいことにどんどん挑戦していくことで常に進化し続けていきたいなと思います。
ーーこの経験が、グループにより深みを与えてくれるかもしれませんね。
菅井:そうですね。いろんな引き出しが増えていくし、大変なこともあるけどやりがいを感じます。また、それによってライブに来てくれたお客さんが驚いてくれたり迫力を感じてくれたら、何より嬉しいですね。