オメでたい頭でなによりのライブにある“人を思いやる心” Zepp DiverCity Tokyoワンマン振り返る
本編残すところあと2曲のタイミングで、赤飯からライブ直前の7月7日に配信リリースされた「We will luck you」についての思いが語られた。内容は本サイトで行った赤飯&ぽにきんぐだむへのインタビューに詳しいが、ユニークな表現を続けてきた彼らが、伝えたいメッセージをストレートに歌に込めたロックナンバーである。紆余曲折を経てたどり着いたバンド活動で感じたこととともに、すべての人の幸せを願い、さらにその人たちが誰かを幸せにできる存在になってほしいーーそんな思いがシンプルな言葉で歌われている。
彼らの過剰なまでの“おもてなし精神”の根底には、曲にも込められたような人を思いやる気持ちがあるのだろう。赤飯が過去にメンバーたちから差し伸べられた救いの手のように。「俺に居場所を与えてくれて本当にありがとう」「大事な人たちに捧げます」そんな赤飯の言葉の後に響いた「We will luck you」では、インタビューで彼らが見たいと言っていた壮観な光景がフロアに広がっていた。勇気をもって素直な気持ちをさらけ出したバンドとオーディエンスが本当の意味で一つになった瞬間だ。ラストはバンド名を冠し、曲中に“ありがとう”という言葉が多く飛び交う「オメでたい頭でなにより」で大円団を迎えた。
「We will luck you」のフレーズを歌う声、バンドへの熱い思いが叫ばれるかたちでアンコールが求められると、再びステージにメンバーが姿を見せる。理想と現実の間にあったどん底ともいえる時代、それでも前を向こうとする思いを歌にしたという「笑うユメの生活」をアコースティック編成で披露。途中、赤飯がマイクを通さずに歌う姿は、照れ隠しなしで本当の自分をさらけ出しオーディエンスと向き合おうとする姿勢をそのまま表しているかのように映った。しかし、そんなしんみりとしたムードで終わらないのが彼ららしいところでもある。最後は「生霊の盆踊り」「宴もたけなわプリンセス」でしっかりオメでたい空気を作り、この日のライブを終えた。
MCで赤飯は、5年前にソロで立った舞台に、再びバンドとして立つことができたことを感慨深く語っていた。だが、ここはまだ通過点。目標として掲げる日本武道館のステージを目指し、また新たな歩みを進めることになる。公演終わりには、2018年秋に2ndシングルを発売すること、11月に3マンスプリットツアー『幸三昧 2018』を開催することが発表。また後日、『氣志團万博2018』初日となる9月15日にWELCOME ACTとして出演すること、10月スタートのアニメ『火ノ丸相撲』(TOKYO MXほか)でエンディングテーマを担当することなどもアナウンスされている。オメでたい頭でなによりは、思いやり溢れるエンターテインメント性を武器に、今後ますます多くの人を幸せにしていくことになるだろう。
(文=久蔵千恵/メイン写真=竹内光司)
■セットリスト
『オメ道楽2018〜鯛獲るレコ発編〜本店』
7月16日(月・祝)Zepp DiverCity Tokyo
1.鯛獲る
2.えんがちょ!
3.憂き浮きウォッチング
4.wosushi〜ウォールオブ寿司〜
5.海老振り屋
6.七夕リアン☆リターンズ
7.歌謡サスペンス劇場〜わたしがやりました〜
8.さくらんぼ
9.推しごとメモリアル
10.ふわっふー
11.VIVA!ハピバ
12.ダルマさんは転ばないっ(湯冷ます)
13.スーパー銭湯〜オメの湯〜
14.We will luck you
15.オメでたい頭でなにより
アンコール
16.笑うユメの生活
17.生霊の盆踊り
18.宴もたけなわプリンセス
■リリース情報
『We will luck you』
7月7日(土)配信
詳細はこちら
■ライブ情報
3マンスプリットツアー『幸三昧 2018』
11月10日(土)Shibuya WWW
11月15日(木)大阪 十条 246スタジオGABU
11月16日(金)名古屋E.L.L.