山本彩は“48グループ”で異例のアイドルだった? NMB48に与えた功績とソロ活動への期待

 NMB48の山本彩が7月30日、東京・中野サンプラザホールで行われた全国ツアー『NMB48 LIVE TOUR 2018 in Summer』の初日公演でグループからの卒業を発表した。

NMB48『欲望者』(通常盤 Type-A)

 NMB48の1期生メンバーとしてグループを牽引してきた山本彩。結成翌年の2011年から“チームN”のキャプテンを務めるほか、毎年行われる『AKB48 選抜総選挙』でも常に上位にランクイン。2016年にはシンガーソングライターとしてソロデビューを果たすなど、48グループの顔として多くのファンから愛されていただけに、今回の突然の卒業発表には驚きの声が上がった。

 NMB48の中心人物として活動してきた山本は、グループにとってどんな存在だったか。『「アイドル」の読み方: 混乱する「語り」を問う』の著者であり、48グループに詳しいライターの香月孝史氏は、彼女の功績について下記のように語る。

「山本さんは現在、NMB48のみならずAKB48グループ全体のなかでも“外向き”の発信をする能力が最も高いメンバーのひとりです。NMB48の一員としては結成時からセンター、キャプテンとしてグループを支え続け、NMB48の大看板かつ最大の精神的支柱としての役割も果たしながら、その一方で個人としてもグループ外への着実に足場を築き、ソロシンガーというキャリアへの準備も順調に行なってきました。グループ内の群像劇の充実と、外の世界に向けての訴求力という2つの側面は、AKB48グループを継続させる重要な両輪ですが、山本さんはその両方についてバランスよく貢献してきたメンバーだと思います。またソロシンガーとしての活動でいえば、これまでも48グループ内に在籍しながらソロ楽曲を発表するメンバーはいますが、多くの場合まだ48グループ内での活動という趣きが強いものでした。山本さんは従来のソロ活動メンバーに比して、48グループから半歩、外に踏み出した距離感の活動を行ない、亀田誠治さんら今後の彼女の活動においてもキーになりそうな人々と関わりを築いてきました。グループ在籍時にこのようなスタンスをもつことができた、稀有なメンバーといえます」

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