WONK、SHINICHI OSAWA、Chim↑Pomらが表現する音楽&アートの“最先端”を体験

『TOKYO CUTTING EDGE vol.02』レポ

 そしてステージの幕を下ろしたままでのゆる~いリハを挿み、今度は長岡亮介が登場する。自身のバンドであるペトロールズで活動するほか、星野源らのライブサポートなどギタリストとしても活躍する彼だが、今回のライブはエレクトロニカアーティストのausをサポートに迎え、彼の手打ちによるビートに合わせてギターで弾き語るスタイルに。無機質なれど手打ちらしい暖かみも感じさせる簡素なビートに、叙情たっぷりのギターとレイジーな歌声を乗せるそのパフォーマンスからは、何となくベン・ワットの名作『North Marine Drive』を思い浮かべたりもしたが、それよりも遥かに雄弁なギターがより自由な感覚をもたらしてくれる。

 次曲ではausの手捌きも一気に加速して、まるで2ステップのように複雑かつハイテンポなビートを正確に叩き出してフロアを熱狂させる。かと思えば、ダウンテンポのリズムにリバーブをたっぷり効かせたギターを絡みつかせて、まどろみのようなプラスチックソウルを現出させたり、独特の色気を持ったファルセットボイスでヒップホップ風のファンキーなビートを飄々と乗りこなしたりと、そのスタイルは奔放そのもの。フィンガーピッキングによるリズミカルな奏法も唯一無二の個性へと昇華している。最後もトラップ~フットワーク風のハット連打を効かせたビートから開放的に展開していくナンバーで、浮き雲のように変幻自在のギタープレイと歌声を聴かせてステージを終えた。

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 そこから引き継いだEYEは、初期ハウスやデジタルダンスホールに通じる雑食感溢れるナンバーを次々と繋いで、トライバルなグルーヴをフロアに注入していく。そのまま次のライブまで踊り明かしてもよかったのだが、結局Chim↑Pomのインスタレーションの謎が解けてないので、再度探しに行くことに。もう一度丹念に探し回ったのだが、それでも見つけることができず途方に暮れていると、ここで「トイレに秘密があるかも」というタレコミが!

 早速駆けつけてみると、小便器の横に何やら怪しげなチラシが貼られている。そこには「●●●●●●●●から汲んできた水ありマス」「本日のみ内緒の取引可能」(※危険なので自主的に伏せ字にしてあります)という文言と共に、携帯の電話番号が記されていた。さらに脇にあるQRコードを読み込むと、某警察密着ドキュメント的な動画が……。何か危ないものを感じながらも、迷わずチラシの携帯番号に電話をかけてみると、なんとChim↑Pomメンバーと直接アポイントを取ることができた。我々取材班(筆者とリアルサウンド担当)は交渉の末、某夢の国から汲んできた水とその様子を収めた証拠写真(Chim↑Pomサイン入り)を入手することができたのだ。何とも大掛かりで遊び心の効いたインスタレーション、これこそが大人の遊びというものだろう。

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