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『Billboard Japan Hot100』チャート分析

米津玄師は間違いなく2018年上半期を代表する存在に ビルボードジャパンチャート分析

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【参照:ビルボードジャパン 2018年上半期チャート

 ビルボードジャパンが、2018年上半期総合ソング・チャート「Billboard JAPAN Hot 100」、総合アルバム・チャート「Billboard JAPAN Hot Albums」を発表した。

 総合ソング・チャートは、米津玄師「Lemon」が首位を獲得。総合アルバム・チャートは、安室奈美恵のベストアルバム『Finally』が昨年の年間チャートに続き首位を獲得した。

 今回の記事では、それぞれの結果から2018年上半期の音楽シーンを振り返っていきたい。

 まず総合ソング・チャートのTOP10はこうなっている。

 「Billboard JAPAN Hot 100」

1位:米津玄師「Lemon」
2位:欅坂46「ガラスを割れ!」
3位:星野源「ドラえもん」
4位:乃木坂46「シンクロニシティ」
5位:TWICE「Candy Pop」
6位:菅田将暉「さよならエレジー」
7位:DAOKO × 米津玄師「打上花火」
8位:back number「瞬き」
9位:AKB48「ジャーバージャ」
10位:BTS (防弾少年団)「MIC Drop」

 総合アルバム・チャートのTOP10はこうだ。

「Billboard JAPAN Hot Albums」 

1位:安室奈美恵『Finally』
2位:AKB48『僕たちは、あの日の夜明けを知っている』
3位:米津玄師『BOOTLEG』
4位:(サウンドトラック)『グレイテスト・ショーマン(オリジナル・サウンドトラック)』
5位:WANIMA『Everybody!!』
6位:B’z『DINOSAUR』
7位:BTS (防弾少年団)『FACE YOURSELF』
8位:KinKi Kids『The BEST』
9位:Kis-My-Ft2『Yummy!!』
10位:GENERATIONS from EXILE TRIBE『BEST GENERATION』

米津玄師『Lemon』(通常盤)

 まず言えるのは、米津玄師は間違いなく2018年上半期を代表する存在だった、ということだろう。石原さとみ主演のドラマ『アンナチュラル』(TBS系)の主題歌として書き下ろされた「Lemon」は、2018年3月のリリース以降15週連続でトップ4以内をキープし、2位に倍以上のポイント差を付けた圧倒的な首位となっている。

 総合アルバム・チャートでも昨年にリリースされた『BOOTLEG』が3位にランクイン。さらに昨年の年間ソング・チャートで3位に入ったDAOKO × 米津玄師名義の「打上花火」も7位とロングヒットになっている。

 これまでCMやアニメ、映画など数々のタイアップを手掛けてきた米津玄師だが、「Lemon」は彼にとっても初のドラマ主題歌となった。おそらくこの曲をきっかけに彼のファンになった人も多いはずで、いわば米津玄師が「国民的シンガーソングライター」の座についたのが2018年上半期だった、と言える。

 そして、もうひとりの「国民的シンガーソングライター」星野源は、「ドラえもん」を3位に送りこんでいる。これもロングヒットの兆しの大きな曲だ。というのも、一つの前例があるからだ。映画『STAND BY ME ドラえもん』主題歌として書き下ろされた秦 基博の「ひまわりの約束」は、リリース当初の2014年秋よりもむしろ、映画が地上波初放送された2015年夏を契機に大きくヒットしている。この曲もそうなる可能性は大きいと言えるだろう。

 女性アイドルグループの分野においては、総合ソング・チャート2位に欅坂46「ガラスを割れ!」が、4位に乃木坂46「シンクロニシティ」がランクインし、坂道シリーズの勢いを象徴する結果となっている。一方、AKB48「ジャーバージャ」は9位。ただ、総合アルバム・チャートではアルバム『僕たちは、あの日の夜明けを知っている』を2位に送りこんでいる。安室奈美恵がベスト盤とフェアウェルツアーによる売り上げであることを考えると、新作アルバムとしては2018年上半期1位と言えるわけで、こちらも衰えない人気を象徴していると言っていいだろう。

 BTS(防弾少年団)も2018年上半期の“顔”の一つと言える。総合アルバム・チャート7位となった『FACE YOURSELF』は、4月にリリースされた日本でのオリジナルアルバム。5月には韓国でのオリジナルアルバム『LOVE YOURSELF 轉 ‘Tear’』をリリースし、こちらは米ビルボード・アルバム・チャート「Billboard 200」で初登場1位を獲得、K-POP史上初の快挙を達成した。

 BIGBANGや東方神起など、これまで多くのK-POPグループは日本市場を意識しローカライズに力を入れてきた。歌詞を日本語に変え、日本独自のアルバムをリリースしてきた。これまではそれが成功してきたが、市場が完全にグローバルになった今、BTS(防弾少年団)以降のグループは違う戦略をとってもいいのではないだろうか、と個人的には考える。そういう意味でも、日本、韓国、台湾のメンバーが混成したアジア発ガールズグループのTWICEがどんな風にキャリアを積み上げていくかは今後を占う一つの試金石と言える。

 総じて見ると、2018年上半期のチャートは大きな波乱なく、各ジャンルの人気アーティストが強さを示した安定の様相を呈しているとも言えるだろう。ただ、現時点の週間チャートを見てもシーンの状況は刻々と動いている。

 果たして2018年下半期には、どんなヒットが生まれるだろうか。注視していきたい。

■柴 那典
1976年神奈川県生まれ。ライター、編集者。音楽ジャーナリスト。出版社ロッキング・オンを経て独立。ブログ「日々の音色とことば:」Twitter

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