三浦大知はついにビッグセールスを手に入れたーー安室奈美恵のチャートアクションとともに分析

参考:週間CDアルバムランキング2018年3月26日付(2018年3月12日~2018年3月18日・ORICON NEWS)

 「おっ、ついに!」。思わず声が出てしまいました。ORICON NEWSでは、斉藤和義がキャリア25年で初の首位となったことがニュースになっていましたが、私が反応したのはそれだけではありません。

 まずは、ついに、安室奈美恵がチャート10圏内から外れたこと。

 昨年11月8日に発売され、ぶっちぎりの1位スタートから始まったベスト盤『Finally』。人気アーティストが他との圧倒的な差をつけて1位に輝くのは当然と言えますが、本作はその後の伸びしろが本当に凄まじかった。3週連続1位を走った後は、4週連続で2位、そのあとは2〜5位圏内を5週間もキープ。この段階ですでに3カ月が経過し、2018年の正月気分もすっかり消えています。それでも『Finally』はまだまだ粘る。2月に入っても6位→6位→4位→5位とランクの中間をさまよい、3月になって8位→10位とようやく下降の気配を見せていき、今週ついに12位へ。それでもこの一週間だけで、なお6,160枚を売り上げているんですよ!

 突然の引退発表はたしかにショッキングでしたが、考えてみれば「なぜ今? まったく理解できない!」という声は少なかった。納得のうえで、全国民が安室ちゃんに「長い間おつかれさまでした!」「ありがとう!」と温かい拍手を送った。そういう感覚がそのまま反映されたような5カ月間のランキング動向でした。毎週めまぐるしく変わりゆくチャートの世界に、壮大な名画を見終わったような感慨を抱くのは初めてのことです。

 もうひとつ。ついに、三浦大知がビッグセールスアーティストに。

三浦大知『BEST』

 今週6位にダウンした三浦大知の『BEST』は、実は先週、キャリア初の初登場1位を獲得しています。初週で67,852枚、今週は12,875枚なので、トータルでは8万枚を突破。見事な数字と言っていいでしょう。

 わずか9歳からFolderの一員として活動し、当時からずば抜けた歌唱力やリズム感を評価されてきた彼は、変声期にはしっかり休業するなど、本当に大切に育てられてきたアーティストという印象があります。ソロになってからは楽曲も大人っぽいR&B路線となり、ダンスのキレはいよいよ前人未到のレベルになっていく。ただし、一定の評価はあったものの、なかなかそれが輝かしいセールスに結びつきませんでした。

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