PENTAGON「Shine」がチャート逆走でロングヒット! “オタク”コンセプトの歌詞&MVに注目

 韓国の音源サイトでは一旦ランキングが落ち始めた曲が、ひょんなきっかけでチャートを上り始める“チャートの逆走”でロングヒットを飛ばすことが度々ある。

 今、まさにその“逆走”でチャートを賑わせている曲がある。それが韓日中のメンバー10人が所属するボーイズグループ、PENTAGON(ペンタゴン)の「Shine(オリジナルタイトル「빛나리」)」だ。

[MV] PENTAGON(펜타곤) _ Shine(빛나리)

大衆の口コミが火をつけたランキングの逆走

PENTAGON『Positive』

 「Shine」が、韓国の主要音楽配信サイトMelOn(メロン)のリアルタイムランキングのトップ100へチャートインをしたのは、この曲が収録された6枚目のミニアルバム『Positive』がリリースされた4月2日から約1カ月後のことだった。

 リリースされてから500位まで順位を下げていた「Shine」は、音楽番組などでのパフォーマンスをきっかけにした口コミにより、徐々に順位を上げ、ついに1カ月後にチャートインという快挙を成し遂げた。このチャートインはデビューして1年半を迎えたPENTAGONにとっては初めてのことだった。

 「Shine」は一般の人たちが多く聞くといわれている通勤時間の朝8時台に順位を一気に上げており、これは「Shine」が特定のファン層ではなく大衆に受け入れられたということでもあるだろう。5月21日時点でじわじわと順位を上げ、最高順位は16位にまで及んだ。

“オタク”をテーマにしたコミカルな歌詞と耳に残るメロディ

 「Shine」は通常のアイドル像とはかけ離れた“オタク”をコンセプトにしている。この曲の面白さはここにある。

 「Shine」は、とても好きな子がいるのに告白できず、周りをうろうろしている片思いの男が主人公になっている。歌詞の中には「君の最愛のオタク、オタク」「そう、僕はバカ、バカ」「僕は君にはヒルの浅漬け(ストーカー)みたい」という、アイドルの歌詞には使われないような表現が多く出てくる。

 特にサビで使われている「ナナナンナンナナン(나나난난나난)」というフレーズは、日本語に訳すと「僕、僕、僕は、僕は、僕、僕は」という意味もあり、主人公の小心さをくすっと笑わせるコミカルな歌詞で表している。

 そして、この歌の最後は、「僕の恋の前ではいつも輝こう(빛나리)」という決意表明で明るく終わるのだ。

 サウンドも、そんな滑稽な姿を表すかのようなコミカルな印象のピアノリフから始まり、イドンの咳払いから本編へと入っていく。簡単なように聞こえて、歌おうとすると意外と難しいメロディなのだが、イントロのピアノリフといい、なぜか耳に残るのが特徴だ。気が付くとサビの部分で「ヌヌナンナ♪」と機嫌よく一緒に歌っているのだ。

 「朝のりんごみたいに聴くことができる音楽になれたらいい」と作曲を手掛けたメンバーのフイが語っているが、実際そんな明るい気持ちにさせてくれる曲に仕上がっている。

一緒に踊りたくなる“ハンマーダンス”

 歌詞や曲だけじゃなく、衣装や舞台も“オタク”にこだわっている。

 今回の衣装はメンバー全員で意見を出し合い決めたという。「カジュアルで、制服のようで制服ではない衣装」は、曲のオタクコンセプトと相成って、どこかダサくて、力が抜けている感じがある。メイクでは頬紅とそばかすで幼さを表現し、高身長のメンバーはハーフパンツを履き、そのギャップが面白さとなっている。

 ダンスでは、今流行りの力強く腕を振りながらステップを踏むハンマーダンスをサビに取り入れた。この振りの部分は、「Shine」の曲を聴いたら思わず一緒に踊りたくなる、大きなポイントだ。

[PENTAGON - Shine] Comeback Stage | M COUNTDOWN 180405 EP.565

 また、パフォーマンス時のメンバーの小さな仕草や表情にも注目してほしい。両手の人差し指をちょんちょんとつついて小心者を表現したり、とぼけた表情でおどけたり、変顔をしたりと、今までのPENTAGONでのカッコいい姿は一切封印し、最初から最後まで“オタク”というコンセプトを崩さない。徹底した“オタク”ぶりなのだ。そして、メンバー自身もこのパフォーマンスを楽しんでいる。

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