乃木坂46西野七瀬、人気の理由は“誠実さ”にあり 1stフォトブック『わたしのこと』から感じたこと

 乃木坂46西野七瀬の1stフォトブック『わたしのこと』(集英社)が、5月9日に発売された。

西野七瀬1stフォトブック『わたしのこと』

 ファンにはすっかりおなじみとなったSHIBUYA TSUTAYA 1Fフロアには、フォトブック発売記念パネル展が展開され、翌10日は福家書店新宿サブナード店でのフォトブックお渡し会の開催、発売を記念したSHOWROOM配信は視聴者数10万人を記録し、一時サーバーがパンクする事態にもなった。フォトブックは、3万部の重版が決定し、累計発行部数15万部を突破。翌日の朝のニュースでも多くのテレビ局が西野のフォトブックを取り上げた。西野が専属モデルを務める『non-no』(集英社)では、同じく専属モデルの欅坂46 渡邊理佐とのW表紙を飾り、『週刊少年マガジン』(講談社)ではマガジングラビア史上最大の16ページを西野が占めるという、書店・コンビニの本棚を西野が席巻するという、彼女の人気っぷりをまざまざと見せつけられる週であった。

 これまで、写真集を発売してきた乃木坂46メンバーは数多くいるが、フォトブックを発売したのは2015年に白石麻衣が出した1stフォトブック『MAI STYLE』(主婦の友社)以来、2人目。写真集とフォトブックの定義は大きく違いはないが、一つの特徴として写真集の要素にインタビューや様々な企画で人物の素顔を照らしていくのがフォトブックであり、『わたしのこと』はそのタイトルが示す通りに、西野のことがよりよく分かる1冊に仕上がっている。

 シングル単独センターは、8th『気づいたら片想い』、9th『夏のFree&Easy』、11th『命は美しい』で3度、ダブルセンターは13th『今、話したい誰かがいる』、17th『インフルエンサー』、19th『いつかできるから今日できる』で3度と、生駒里奈が卒業した現在ではトップのセンター経験数を誇る西野。5th『君の名は希望』までは3列目ポジションであった彼女は、徐々にその不動の人気を確立していく。ソロ曲においては、「ひとりよがり」「ごめんね ずっと・・・」「もう少しの夢」「釣り堀」「光合成希望」という全5曲はメンバーいちの数である。

 西野と言えば、2014年に『気づいたら片想い』で初めてセンターに抜擢され、『乃木坂って、どこ?』(テレビ東京)で行ったヒット祈願企画、マカオでのバンジージャンプがひとつのターニングポイントとして挙げられる。実際、フォトブックの中でも番組MCを務めるバナナマン・設楽統がそのエピソードを語っているほどだ。翌年、2015年には『non-no』の専属モデルとなり、2016年には自身初のバラエティ番組MCを務める『ライオンのグータッチ』(フジテレビ系)がスタート。フォトブックの中で転機になった仕事として答えている、主演を担当した映画『あさひなぐ』が2017年、今年にはドラマ『電影少女 -VIDEO GIRL AI 2018-』での天野アイ役が話題となった。

 ライブパフォーマンス、モデル、バラエティ、女優として、これほどまで多岐に渡った活躍をしているのは乃木坂46の中でも、西野が随一である。では、その人気の源にあるのは何か。西野と父親との対談や、彼女の日記、メンバーからのコメント、写真集の中でカメラに向ける眼差し。一言で言えば、彼女の魅力はその「誠実さ」にあると感じる。秋元康は、フォトブックの帯に多くを語らない西野の魅力を「神秘性」と例えている。キャプテンの桜井玲香は「嘘をつくことが嫌いで、自分自身に正直」と、『ライオンのグータッチ』でともにMCを務め、すっかり西野にとっての“公式お兄ちゃん”的存在になっている佐藤隆太、博多大吉(博多華丸・大吉)は、口下手ながら常に本心からの言葉選びをする西野の姿勢を評価している。

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