『Everybody!! TOUR』名古屋公演レポ
WANIMA、国民的ロックバンドへの道を駆け上る! ツアー名古屋公演で新曲「Drive」初披露
WANIMAが、4月18日に『Everybody!! TOUR(エビバデ!! ツアー)』名古屋公演を愛知県・日本ガイシホールにて開催した。WANIMA史上最大となる20万人を動員する同ツアーは1月17日に発売されたメジャー1stアルバム『Everybody!!』を携え、2月1日神奈川県・CLUB CITTA'の1300キャパからスタート。後半戦となるアリーナ編に突入し、この日は1万人を超える観客を沸かせた。
快晴の青い空の下、開場前からグッズ売り場や撮影スポットには多くの人が並び、ライブに向かう浮き立つ空気にあふれていた。「PIZZA OF DEATHから出る! っていう頃から好きで、一番の魅力はみんなで盛り上がれることです」(20代女性)。「友人に教えてもらってCDを聴いて最近好きになりました」(30代女性)。「元気が出ますよね。ヘンテコな曲もあればメッセージソングもあってグッと来る」、「すごく自分が辛い時とか、もうちょっとがんばろうってめっちゃなります!」(20代カップル)。「楽しいところが好き。曲は『1106』が好き! KENTAみたいになりたい!」(9歳兄)、「ドラムをやっていてFUJIくんみたいになりたい!」(5歳弟)など、ロックキッズのみならず、様々な嗜好を持った人々が参加する様子が印象的だ。昨年末の『NHK紅白歌合戦』への出場で国民的なロックバンドへの道を駆け上る今、実にさまざまな層にWANIMAの音楽が広がっていることがわかる。
会場に入るなり目に入ってきたのは、 中央に組まれた巨大な360度のセンターステージだ。KENTA(Vo/Ba)、KO-SHIN(Gt/Cho)、FUJI(Dr/Cho)の3人は、「JUICE UP!!のテーマ」で登場するなり、四方八方のお客さんを盛り上げ、「Everybody!!ツアー名古屋、開催しまーす!」と開幕。最新アルバムの楽曲や「ララバイ」「BIG UP」などに、「つけてミーソ、かけてミーソ」「なーごや!」と名古屋ならではのコール&レスポンスやお馴染みFUJIの長渕コーナーを挟むのだが、タイトに凝縮し、流れるように盛り上げていく。
そして、会場がグルーヴに包まれ、熱したところで、「ここでまさかの新曲をやります! WANIMAにできることは新曲で気持ちを伝えること」とKENTA。「緊張する……でも、ちゃんと歌えんでもいい。届けばよかねー。なさけないことはいっぱいあるけど、ともに、これから先をドライブしていこう」と続け、6月1日より全国東宝系で公開される映画『OVER DRIVE』の主題歌に書き下ろした新曲「Drive」を初披露した。この曲はメンバー自ら映画本編を観て書き下ろしたそうだが、映画にある“限界を超える”“駆け抜ける”というキーワードは、さながらWANIMAのメッセージ。バンド活動が軌道に乗り、次なる不可能を可能に変えている今にも重なる。冒頭から3人の合唱のパワーで魅せたが、KENTAが目を抑え、手を伸ばして歌う場面には会場中が聴き入った。
中盤、KENTAは「このステージどう?ディズニーランドのアトラクションみたいじゃない?」と投げかけた。確かに、ロックバンドでこういった360度のセンターステージにトライするのは珍しいようにも思うが、「もともとライブハウスで育ってきたから、少しでもお客さんに近づきたい」、さらに「ダイブやモッシュをしたい人も、それが怖い人も、親子連れも、いろんなスタイルで楽しめるように」と、アリーナスタンディングエリア、ファミリー席、2階スタンド指定席で、そびえ立つステージを囲む。広がり続ける人気を目の当たりにし、バンドとしての思いから行き着いたひとつの形だろう。実際のステージも、アコースティックコーナーもあれば、ロマンチックな「SNOW」、ミラーボールの煌めきとともにダンスフロアと化した「オドルヨル」など、さまざまな色をみせた。
「ガイシにWANIMAを連れてきてくれてありがとう」。名古屋での最初のライブは2、3人から始まったというが、「名古屋にはドームもあるけんね。もっともっとみせたい景色、聴かせたい曲があるけん」とバンドのさらなる目標を告げたKENTA。それには観客全員が胸を高鳴らせていたが、さらに、1000人の18歳世代とライブパフォーマンスを形にする『18祭』(NHK総合)のために作った「シグナル」で大合唱に。新たなアンセムとして爽やかな風を感じる同曲、続く本編ラスト「Everybody!!」では手を挙げたり、ダイブしたり、思い思いに楽しんでいる。この2曲はアルバム『Everybody!!』に収録されており、それぞれロッテ「爽」、リンガーハットのCM楽曲に、発売から数カ月経ったのちに選ばれるなど、快進撃は続いてる。今もなお、いろんな角度で『Everybody!!』が広がっているのだ。