『miracle² SPECIAL LIVE』東京公演レポート
miracle² from ミラクルちゅーんず!が描いた“成長と絆の物語” 集大成となった初ワンマンをレポ
1年前、この感動のフィナーレをどれだけの人が想像しただろうか。昨春にスタートした特撮ドラマ『アイドル×戦士 ミラクルちゅーんず!』(テレビ東京系)から誕生した次世代ガールズユニットmiracle²(ミラクルミラクル)が、愛知・東京・大阪でワンマンライブ『miracle² SPECIAL LIVE』を開催した。昨年6月に『Catch Me!』でメジャーデビューし、『JUMP!』、『天マデトドケ☆』と立て続けにシングルをリリース。今年2月14日に発表したベストアルバム『MIRACLE☆BEST – Complete miracle² Songs -』は、初登場オリコン週間アルバムランキング2位という素晴らしい結果を残した。ドラマは最終回を迎え、miracle²は音楽の国へ。子どもたちはもちろんのこと、大人たちをも夢中にさせたmiracle²の、まさに集大成とも呼べるライブとなった。次シーズンの『魔法×戦士 マジマジョピュアーズ!』との架け橋まで成し遂げた、彼女たちの勇姿を心に書き留めたい。(取材日:3月28日昼の部)
Zepp DiverCityでは小さな子どもたち専用のシートがステージ前に設けられ、『ミラクルちゅーんず!』のアイテムや衣装を身につけ、ペンライトや手作りのうちわを振りながらメンバーの名前を呼ぶ子どもたちが、彼女たちの登場を今か今かと待ちわびていた。開演時間になると、スクリーンにオープニング映像が流れ、miracle²が元気いっぱいに登場した。デビュー曲「Catch Me!」が流れると、子どもたちも思い思いに踊りだす。サビの前になると、一ノ瀬カノンを中心にメンバーが代わる代わる「いくよー!」「手を振ってー!」と、盛り上げていく。リリースイベントで培ったライブスキルがオープニングから余すことなく発揮されていた。
ステージセットは、ドラマで登場したメイクルームをイメージして制作され、ドレッサーのミラーからメンバーが顔を出す可愛らしいパフォーマンスも。ノンストップで「Happy」「天マデトドケ☆」を歌うmiracle²に、子どもたちのテンションも急上昇。「がんばれー!」とメンバーを応援している小さなファンたちの素直な反応に、大人たちも思わず頬がほころんでいた。
「みなさん、こんにちは。miracle²です!」。声を揃えて弾ける笑顔で挨拶をする5人が、あらためて自己紹介をしていく。「オシャレが大好きな中学1年生、白鳥アカリです! たくさんの楽曲を披露するので、みなさん最後まで楽しんでいきましょう」、「アカリの妹、白鳥ヒカリです。みなさんに最高のパフォーマンスと最高の笑顔をお届けできるように精いっぱい頑張りたいと思います」、「ダンスとアクロバットが得意な中学1年生、橘フウカです。ずっと自己紹介でアクロバットが得意って言っていたのですが、披露したことがないので……今日は披露したいと思います!」と、驚きの展開に。「フウカ! 頑張れ!」とメンバーの声援とドラムロールを受けて、見事なバク転を決めたフウカ。会場から拍手が湧き上がった。
続いて「歌うことと食べることが大好き、一ノ瀬カノンです! 今日はみなさんに楽しい思い出を作ってもらえるように精いっぱい私たちも頑張りますので、どうぞ応援よろしくお願いします」、「miracle²のリーダー、神咲マイです! 今日は私たちも少し緊張しているのですが、最後まで頑張っていきたいと思います。みんな盛り上がっていく準備はできていますかー?」。マイが客席に呼びかけたタイミングで、演歌モードの衣装にチェンジしたヒカリが飛び出してきた。艶やかな姿に客席からは「わー!」という歓声が上がる。
「この衣装のお気に入りのポイントは、生地が小さいお花が集まっているちりめん柄になっているところと、帯の後ろが編み上げになっているところがかわいくてお気に入りです!」と衣装のポイントをヒカリが解説すると、マイが「みんなー、かわいいよね?」と会場に呼びかけて会場を沸かせる。そんなスムーズなやりとりも、彼女たちの成長を感じる瞬間だ。「演歌のダンスは音が速いので、ついていくのが大変でしたね」と同じ演歌衣装を身にまとったアカリが知られざる苦労を語れば、マイが「私は踊ると首が痛くなる(笑)」とおどけると、「マイはダンスが激しいから!」とツッコミを入れるコミカルなトークにも、チームワークの良さが見て取れた。
カノンがヒップホップ、フウカがテクノ、マイがロックと、全員スペシャルモードの衣装に身を包み終えると、ドラマのシーンと共にダンスメドレーを披露。スクリーンの映像の前で踊る5人は、まさしくドラマから飛び出したアイドル! 「音が速くて大変」と話していた演歌バージョンも美しく舞い終えた。すると、拍手が止む間もなく、何やら不穏な音楽が。すると、スクリーンには魔王の姿が! そして、ネガティブオーラのせいで声が出なくなってしまったときのカノンの姿も映し出される。
カノンの声を取り戻したのは、ファンのみんなのあたたかい声援、そしてmiracle²の美しい友情のおかげだった。そんな思いが綴られたソロ曲「KIRA☆TUNE!」をカノンがしっかりと歌い上げる。ベストアルバム発売の際の座談会で、この曲をお気に入りに挙げていたマイが「お父さんとお母さんも手拍子お願いしまーす!」と盛り上げた。さらに、ヒカリとアカリの“カリカリ“が「パラレルWorld」を披露し、キレキレのダンスで客席を魅了すると、カノンとマイとフウカで「ハートのジュエル♡」へ。思えば出会ったころ、3人と2人はライバルだった。それが、今ではすっかり仲良し5人組に。こうして歩みを振り返ると、1年とは思えないほど思い出が詰まっている。
ライブは、いよいよ後半戦へ。マイとフウカが中心となって、リリースイベントでもお馴染みとなったダンスレクチャーの時間へ。「盛り上がってくれますかー?」と、2階席にも積極的に声をかけていくフウカは、座談会で「マイばっかりに任せているから、私も頑張りたい」と話していた。自分への課題をクリアしていこうとする健気な姿に胸が熱くなる。ミラーボールがきらめくちょっぴり大人っぽい雰囲気の中「週末ダンスフロア」「まわれ☆まわれ」を歌い上げた。