『デンシンタマシイ』リリースインタビュー

ゲーム実況者わくわくバンドに聞く、『BORUTO-ボルト-』主題歌担当までの軌跡

 ゲーム実況と音楽をまたにかけて活動してきたゲーム実況者わくわくバンドが3月7日、デビューシングル『デンシンタマシイ』をリリースした。もともとはイベントで偶然結成され、音楽経験にも濃淡があった彼ら。しかし、ライブやリリースを重ねるなかでバンドとして成熟し、ついに人気アニメ『BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS』(テレビ東京ほか)のエンディングテーマを手がけるに至った。それぞれにネットで名前を上げ、個性の際立ったメンバーが、なぜここまで一体となって音楽を鳴らすことができるのか。そもそも楽曲制作やレコーディングはどう進んでいるのか。ゲーム実況動画同様、オフでも賑やかに笑い合う5人へ、本作にかける思いをじっくり聞いた。(編集部)

 「『ゲーム実況』という言葉を背負っていくことに意味がある」

左から、フジ、フルコン、湯毛、せらみかる、ヒラノ課長。

――Zeppダイバーシティ東京での初ライブから、人気音楽ゲーム『BEMANI』シリーズとの楽曲コラボレーション、また今年1月にはゲーム実況イベント『ゲーム実況わくわくフェスティバル ver.5 ~武道館スペシャル~』で日本武道館のステージに立つなど、驚きの展開が続きました。そのなかでも、世界的な注目作と言っていい、テレビアニメ『BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS』のエンディングテーマを担当するというのは、みなさんのキャリアにとっても大きいことだと思います。最初にこの話があったとき、率直にどう感じましたか?

湯毛:スタッフさんから「こういうチャンスがあるぞ」と聞いて、僕はアニメソングがほんまに好きで、これまでたくさんカバーさせていただいてきましたし、タイトルがタイトルだけにめちゃくちゃビックリしました。せらさんも、元気で伝わりやすいアニメソング、というかたちで曲を書いてくれたし、歌詞も世界観としてアニメに沿うニュアンスもありつつ、自分たちらしい表現ができて。歌についても、自分が思う限りのカッコよさとキャッチーさが出せたと思うので、いまは単純にうれしいですね。

フジ:最初に話を聞いたときは、みんな「本当にそんなことができるの!?」みたいなテンションで、すごい高い壁に感じたんですよね。そのときにスタッフさんが言ってくれた、「人生一度、勝負しよう」という言葉が、けっこうデカくて。それでみんなも士気が上がって、がんばった結果がこの曲です。

フルコン:タイトルの大きさにかなり動揺して、実は僕、スタッフさんと1日くらいずっと「どうしよう……」って相談していたんですよ(笑)。結果、「チャンスをつかまない手はない」ということで、挑戦することにしました。

せらみかる:確かにビックリもあったんですけど、自分は楽しみの方が大きかったですね。自分たちの曲に絵がついて、エンディングに流れるんだ……というところでイメージがドンドン出てきて、かなり早い段階で、いろんなフレーズをつくって。でも、そこからが長かったですね(笑)。みんなで話し合って、これまでで一番、メンバー5人で一丸になって作った作品だと思います。

ヒラノ課長:僕はもともと『NARUTO -ナルト-』がめちゃくちゃ好きやったんで、「マジか!?」と思って。ずっとアニメを観て育ってきて、そのエンディングで流れるなんて、想像ができなかったんですよ。ただ、やる気だけはバリバリ出て、曲の中に心血を注ぎ込むだけだと。あとは野となれ山となれというか、果報は寝て待てという感じで。

湯毛:いや、めちゃくちゃ精力的に活動しながら待ってたけどね(笑)。

ヒラノ課長:言葉おかしいか(笑)。とにかく、アニメ主題歌という、僕らが考える一番わかりやすい形で世に出させてもらうことになって、本当に震えました。

――世に出る、という意味では、「デンシンタマシイ」はすでに、ゲーム実況を観たことがない人たちにも広く届いています。

湯毛:バンド名がストレートすぎるんですよね(笑)。

フルコン:僕も、スタッフさんと個人的に相談したときの話題のひとつが、「アニメのエンディングでこの字面が出て大丈夫か?」ということで(笑)。

ヒラノ課長:でも、「サンダーデスファイヤー」(バンド結成に際して、ヒラノ課長が考案した候補)じゃなくてよかったよね。

湯毛:「大仁田厚の技か!」ってなるもんな(笑)。

――ちなみに、バンド名を変えよう、という話になったことは?

せらみかる:相談はしたことあるんですけど、結果、「ゲーム実況」という言葉を背負っていくことに意味があると。

フジ:最近のバンドさんは奇抜な名前も多いですし、インパクトがあっていいかなと。

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