森朋之の「本日、フラゲ日!」vol.86
RADWIMPS、菅田将暉、Rei、スカイピース、Rei©hi……各シーンでカリスマ性放つ新作
ロックバンド、俳優、YouTuberからミレニアル世代の女性ラッパーまで、各シーンで群を抜いたカリスマ性を放っているアーティストの新作を紹介。映画、SNS、投稿動画サイト、テレビなど、様々なフィールドで才能を示しているアーティストたちのリアルな表現を実感してほしい。
映画『君の名は。』の音楽を手がけたことをきっかけに、ロックバンドという枠を超え、日本の音楽シーンを代表するクリエイター集団というイメージを帯びてきたRADWIMPS。2018年最初のシングル『Mountain Top / Shape Of Miracle』でも彼らは、音楽家としての個性的な創造性を存分に発揮している。チェン・カイコー監督の映画『空海−KU-KAI− 美しき王妃の謎』主題歌として制作された「Mountain Top」は“山の頂にいる者が、未来の子孫たちに向け、人間の本質について語りかける”というシチュエーションを描いた楽曲。オリエンタルな旋律、重厚なストリングスを取り入れたアレンジを軸にした壮大なナンバーだが、いまのRADWIMPSにはこの曲をリアルに表現できる器の大きさが備わっているのだと思う。“奇跡の造詣”(=人間)をテーマにした「Shape Of Miracle」の繊細なメロディラインも素晴らしい。
デビュー曲「見たこともない景色」がストリーミング再生数1000万回を突破、米津玄師の楽曲「灰色と青(+菅田将暉)」でも豊かな表現力を発揮するなど、シンガーとしての才能を知らしめつつある菅田将暉の3rdシングル『さよならエレジー』表題曲は、彼自身が敬愛しているというシンガーソングライター・石崎ひゅーいの作詞・作曲によるアッパーチューン。身を切り裂くような疾走感を備えたトラックメイク、ノスタルジックな旋律は、日本のロック/フォークをルーツした菅田の音楽性にしっかりと合致している。さみしさ、喪失感、絶望を振り切りながら、どうにかして愛の形を掴もうとするボーカルも絶品。3月21日リリースの1stアルバム『PLAY』への期待も高まる。
オーセンティックなブルース、ロックンロールを軸にしたギタープレイ、海外のオルタナフォーク、インディーロックとも同期したサウンドによって、コアな音楽ファンからの高い支持を得ているシンガーソングライター・ReiのCD+DVD作品『FLY』。CD+MUSIC BOOKによる前作『CRY』と対を成す本作は、試練を乗り越え、羽ばたくまでのストーリーを描いている。骨太のブルースギターを響かせ、<New Day やれるだろもっと>と聴く者を鼓舞する「New Days」、レトロフューチャー的な打ち込みビートとDJスクラッチ、カラフルなメロディがひとつになった「Sky Girl」など、独創的なポップネスを備えた楽曲が並ぶ。豊かなルーツミュージックと斬新なサウンドプロダクションのバランスも絶妙だ。