『Hands up!! If you’re Awesome』インタビュー
RYUCHELLが音楽活動を通して伝えたいこと「自分が変われば、見える世界はすべて変わる」
小物に頼らず昔の時代の雰囲気が伝わるよう工夫
――そしてMVでは、カメラワークや映像の質感などで90年代の雰囲気がかなり忠実に再現されていますね。僕はそれこそ、さっき話していただいた90年代のTLCや、メアリー・J・ブライジの「Real Love」などを思い出しました。
RYUCHELL:分かっていただけてよかったです。メアリー・J・ブライジも大好きです。今回のMVでこだわったのは、カメラワークといい感じのダサさ、粗さがあることですね。あと、この曲は1曲目で、これから超かわいい歌や超かっこいい歌も色々やってみたいので、今回のMVでは小物に頼りたくないと思っていました。超かわいい歌だったらかわいいピンクの車に乗ったり、超かっこいい歌だったら青のラメラメのドラムを叩いたりしたいというアイデアがすでにたくさんあるので、今回はそうじゃないものにしようと思っていました。
――まずは自分がどんな音楽が好きか、どんな世界観が好きか――という、RYUCHELLさん自身のパーソナリティにスポットが当たるようにしたかった、と。
RYUCHELL:そうですね。それに、小物に頼らずに背景や画質のようなものだけで、自分が好きな昔の時代の雰囲気が伝わることって、すごいことだと思うんです。だから今回は、そういうことを表現できたらいいな、と思ってMVを作りました。
――背景に「Hands up!! If you’re Awesome」の歌詞が90年代っぽいグラフィティでちりばめられているのも印象的でした。
RYUCHELL:僕も驚きました(笑)。これはMVやアーティスト写真を手掛けてくださったファンタジスタ歌麿呂さんのアイデアで、僕の好きなものをすごく分かってくださっているなと思いましたし、それが歌麿呂さんの力でよりすごいものになっていて、とても嬉しかったです。
――ダンスも披露していますが、これは大変だったんじゃないですか?
RYUCHELL:はい、大変でした。ボイトレもそうですが、ダンスは1年前から練習していたんです。そのダンス自体も、これだけ画質やカメラワークにこだわるのなら、振り付けまで超ダサカワなものにこだわろうと思って、SHOTAさんやBambiさんに「この部分はかっこよすぎるから変えましょう」「ここはオシャレ過ぎるから消してください。2020年でも通じるかっこよさは全部消してください!」と、普通の人はなかなか言わないようなことを言わせていただいたと思います(笑)。止めるところは止める、という昔っぽい雰囲気も意識しました。あと、MVの撮影がこんなに大変だとは思っていませんでした(笑)。最初は、「すぐにできるかな!」と甘い気持ちでいたんです。でも、すごく時間がかかってしまいました。
――MV撮影の大変さを初めて経験することになったのですね。
RYUCHELL:でも、1年前から歌やダンスの準備をして、それでやっと当日を迎えられた嬉しさもあって、撮影は夜中の2時頃まで続きましたけど、気持ちとしては全然大変だとは思わなくて、夢のような時間だったと思います。むしろ、大変だったのは周りで色々と動いてくださったみなさんだと思うので。とはいえ、僕も実はそこに辿り着くまでに、1年の中で先が見えなくなったり、「本当に上手くいくのかな」と弱気になった時期がありました。こんなに豪華な方々に脇を固めていただいたのに、そんな風に不安を感じた時期もあったりはして。だからこそ、当日は感極まって何回も泣きそうになりました。メイクをしていたので、泣かなかったですけどね(笑)。とにかく、本当に嬉しい体験でした。
「自分がイケていると思うなら、自分らしくいればいいよ」
――色々話を聞かせていただいて思ったんですが、今回の「Hands up!! If you’re Awesome」は、RYUCHELLさんが最初に「音楽っていいな」と思ったときの感覚を再現していくような作業だったのかもしれませんね。だからこそ90年代がテーマになったのかもしれない。
RYUCHELL:ああ、そうかもしれないです。だからなのか、色々な方が用意してくださったものに対して、じっくり考え込むというよりも、パッと感じた自分の感覚で答えを出していきました。
――「Hands up!! If you’re Awesome」というタイトルに込めた気持ちを教えてください。
RYUCHELL:この言葉は、意味的には「自分がイケてると思うなら手を挙げて!」「最高だと思うなら手を挙げて!」ということですけど、同じ意味を伝えるにも、他にも色々な言葉があると思います。その中でも、この言い回しは90年代の頃から若者たちが使ってきた言葉で、お洒落でかっこいい雰囲気もあると思ったんです。「Hands up!! If you’re Awesome」と言われたら、イケてる雰囲気で、おしりを振っている女の人が出てくるようなものを想像する人もいるかもしれません(笑)。でも、一見そんな雰囲気のタイトルのようでいて、でも僕がここに込めたのは、「周りの価値観とは違うからといって、自分がイケてると思うものを手放してしまうのはもったいない。それって自分さえも愛してないということだよ」という気持ちです。「自分がイケていると思うなら、自分らしくいればいいよ」ということを表現しました。僕自身、昔は個性を出すことを諦めていたし、それを全部周りのせいにしてしまっていました。「本当に日本って国はさ……」って(笑)。でも、実は自分が変われば、見える世界はすべて変わるんです。そういうことを、歌で届けられるように頑張っていきたいです。
――アーティストとして、これからどんなことをしてみたいですか?
RYUCHELL:えー! どうしよう!(笑)。このプロジェクトでは、自分が今思っていることや、自分が今リアルに感じていることを正直に発信していきたいです。あとは……MTVのような番組で自分のMVが流れているところを観られたら嬉しいですね。自分が昔からそうだったように、YouTubeで誰かが自分のMVを観てくれるのもすごく嬉しいと思います。それに、ライブをたくさんして、みんなに直接会いに行きたいです。シャボン玉の持ち込みをOKにして、みんなでバブルライブのようなものもしてみたい(笑)。とにかく、自分の世界観を届けられるように、みんなに「ああ、ハッピーになれた!」と思ってもらえるように、これからの音楽活動も頑張っていきたいと思っています。
(取材・文=杉山仁)
■リリース情報
『Hands up!! If you’re Awesome』(読み方:ハンズ アップ イフ ユーアー オーサム)
2018.2.14 Digital Release
¥250
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・配信詳細
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