KinKi Kids「Topaz Love」は新たな名曲だ 二人の共作曲に通ずる“黄金比”から魅力を考察
一方の「DESTINY」は、ホーンセクションをフィーチャーしたジャズロック風のナンバー。アグレッシブなビート、起伏の激しいメロディライン、ドラマティックなサウンドメイクがひとつになったこの曲は、「Secret Code」「99%LIBERTY」などと並び、新たなライブアンセムとして浸透することになりそうだ。もうひとつ記しておきたいのは、「Topaz Love」「DESTINY」にアレンジャーとして参加している堂島孝平の存在。「Misty」「カナシミ ブルー」の作詞・作曲をはじめ、数多くのKinKi Kidsナンバーに関わり、アルバム『N album』ではプロデューサー的な役割を果たした堂島は、今回のシングルでも二人の魅力をしっかりと引き出している。ここ数年のKinKi Kidsの音楽的な充実に対し、堂島の技量が大きく関与していることはまちがいないだろう。
ファンク、ブルースをルーツに持つ堂本剛、そして、憂いのあるメロディとダンサブルなトラックを得意とする堂本光一。シンガー、ソングライターとしてまったく異なった個性を持つ二人の共作曲は、KinKi Kidsの本質をもっとも強く反映している。以前の取材で剛は「本当は二人のオリジナル曲だけでアルバムを作るのが理想」と語ったことがあるが、新たな名曲「Topaz Love」はリスナーの“もっともっと二人の曲を聴きたい”という欲望をさらに煽ることになるはずだ。
■森朋之
音楽ライター。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な寄稿先に『Real Sound』『音楽ナタリー』『オリコン』『Mikiki』など。