『紅白歌合戦』2017年は“歌とダンス”を重要視? 出演者ラインナップから読む
さらに、太田氏はラインナップから「歌と同じくらいダンスの比重が重要になってきている」と話す。
「初出場組でも、三浦大知やTWICEといったアーティストや、常連組でもE-girlsや三代目 J Soul Brothers、Perfumeと、“ダンスカルチャー×音楽”が紅白に占める比重が高くなってきました。荻野目洋子も今年、登美丘高校ダンス部のブレイクで再びスポットが当たりましたが、これも若い世代がけん引したムーブメントでした。今年は歌に加え、こうしたダンスカルチャーの浸透を背景にアーティスト本来のパフォーマンスをフィーチャーした年になるのではないでしょうか」
最後に、NHKのほかの歌番組を踏まえ、『紅白』の今後についてこう予測した。
「これまでは『SONGS』が登竜門のような形でしたが、近年さらに『NAOMIの部屋』や『シブヤノオト』、『うたコン』とNHKのレギュラー音楽番組も多彩になってきました。日本のポップシーンのすべてをみせるのが紅白の存在意義だとすれば、多様化、細分化されたシーンを丁寧に掬い取っていこうというのがこれらのラインナップを整えるNHKの意図であると考えます。紅白過去最高の視聴率は1963年で、1964年の東京オリンピック前年にあたります。同様に2020年の東京オリンピック・パラリンピックにつながる“4か年計画”最終年の2019年に最高の盛り上がりを作るため、来年・再来年と続く同局の挑戦に期待したいです」
歌とダンスに焦点を当てたものになるという、“4か年計画”の2年目。出場者たちのパフォーマンスに加え、大々的な演出がなされた昨年との比較も楽しむことができそうだ。
(文=編集部)