ULTRAはなぜ世界展開に成功した? 音楽フェスを広げるテクノロジーの役割

『ULTRA』が示す、フェスの新たな選択肢

 最後にジェイ氏はウルトラだけでなく日本のフェスにも良いところはたくさんある、と前置きし、今後のフェスのあり方について語った。

「最終的にはオーガナイザーの方がどういうフェスを作りたいのかですよね。海外でも失敗して続けられなくなったフェスはたくさんありますし、全てがうまくいっているわけではありません。ウルトラが成功例かというと決してそうではなく、あくまでフェスビジネスにおける選択肢の一つだと思います。全てのフェスがウルトラと同じ規模の運営ができるわけではないですし、ローカルに特化したフェス運営も個性があっていいのではないでしょうか。来年は、開催地の土地を休ませるという理由でイギリスの『グラストンベリー・フェスティバル』が開催休止しますが、そういう選択をするオーガナイザーがいても良いですよね」

 ウルトラのような世界中に展開するフェスがある一方、国や地域に根ざしたフェスも数多くある。ジェイ氏も指摘していた通り、どのフェスの運営方法もあくまで選択肢の一つだろう。それぞれが目指す方向性を明確にし、長く愛されるフェスが増えていってほしいものだ。

(文=村上夏菜)

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