窪田正孝、広瀬すず、菅田将暉……若手俳優、なぜ歌に挑戦? 日本のエンタメ界に変化の兆し
最後に、今後増えそうな映画やドラマ主題歌での取り組みについても、麦倉氏に訊いた。
「歌を歌うということもそうですが、『逃げ恥』以降とも言える、“踊る時代”はもう少し続くのではないでしょうか。どのドラマも、役者が踊るシーンみたいのを積極的に取り入れている気がします。『ひよっこ』(NHK総合)や『ウチの夫は仕事ができない』(日本テレビ系)はドラマ本編に、また『悦ちゃん』(NHK総合)のように、エンディングで出演者が踊りながら歌うパターンもありますね。かといって、松たかこさんや原田知世さんのように、女優だけではなく、出演作を離れて自身が“ミュージシャン”にカテゴライズされるほど本格的に音楽をやる人が出てくるかというと、そうはならない気もします。あくまでも作品ありきなのではないでしょうか」
芝居と歌、そして踊り。それぞれを表現する者の区分けは、近年さらに柔軟になっているようだ。このようにオールマイティに活躍できる表現者たちが、ジャンルに縛られることなく自由に活動を展開していくことは、今後の日本のエンターテインメントにさらなる盛り上がりを呼び込むことになるかもしれない。
(文=若田悠希)