Maison book girlは一線を画する存在へ “総合芸術的”グループの魅力を考察
『image』でひと区切りをつけたと思われたブクガだったが、7月19日には早くもニューシングル『412』をリリースした。本作には新曲「rooms」、インディーズ時代のアルバム『bath room』収録曲をリメイクした「last scene (2017Ver.)」、そしてコショージ作詞によるポエトリーリーディング曲「a-shi-ta」の3曲を収録。「rooms」は方向性的には『image』の延長線上にある楽曲だが、“空白”を効果的に用いたアレンジ(サビで多用されるブレイクと、そこから歌に戻る際に飛び込んでくるメンバーのブレス)は聴く者をドキリとさせるはずだ。もともとブクガの楽曲にはこういった“空白”が多かったほうだが、この曲ではさらに一歩踏み込んでそれを武器にまで昇華している。特にライブではこういった“空白”がマイナスに作用することも考えられるが、彼女たちのような総合芸術的グループなら確実にプラスに転換してくれるはずだ。
また、「last scene (2017Ver.)」は新たにボーカルをレコーディングし直し、バックトラックもリマスタリングが施されたもの。2年前に制作された『bath room』のバージョンと聴き比べてみれば、メンバー4人の歌唱力や表現力が格段に成長していることが伺える。さらに、1分半に満たない「a-shi-ta」は複数の声が重なりあうことで、これまでのポエトリーリーディング曲とは異なる“読後感”を得ることができる。
Maison book girl「rooms」
この3曲のみでは、ブクガが新たに進んでいく道筋は明確に見えてこないかもしれない。だが、『image』から確実に一歩、いや数歩踏み出して前進していることは間違いないだろう。本作『412』は次章へ向けたほんのプロローグにすぎないのかもしれない。
12月28日には赤坂BLITZ以上のキャパとなるZepp DiverCityでの単独公演『Solitude HOTEL 4F』も決定した。ここからの約半年でメンバー4人の表現力がどこまで成長するのか、そしてそのサウンドがどのように進化するのか。ぜひその答えを、年末のお台場で確認してほしい。
■西廣智一(にしびろともかず) Twitter
音楽系ライター。2006年よりライターとしての活動を開始し、「ナタリー」の立ち上げに参加する。2014年12月からフリーランスとなり、WEBや雑誌でインタビューやコラム、ディスクレビューを執筆。乃木坂46からオジー・オズボーンまで、インタビューしたアーティストは多岐にわたる。
■リリース情報
『412』
発売中
価格:¥1,204(+税)
※「初回プレス分限定特製ジャケット仕様(EPサイズ紙ジャケット)
“412”特設サイト
<収録内容>
rooms
last scene-2017Ver.-
a-shi-ta
rooms(instrumental)
last scene-2017Ver.- (instrumental)
a-shi-ta(instrumental)
■ライブ配信情報
Maison book girlメジャー2ndシングル『412』リリース記念『夜明けの月と煙vol.12』ライブ生配信
7月25日(水)20時から事前番組(ミュージックビデオ特集)
20時45分頃からライブ本編を配信予定 (Maison book girl出演部分のみ)
<配信元>
徳間ジャパン公式チャンネル
徳間ジャパン公式ニコニコチャンネル
月見ル君想フ facebookページ
■インストアイベントスケジュール
7月19日(水)20:00 TSUTAYA IKEBUKURO AKビル店
7月21日(金)19:00 ヴィレッジヴァンガード 渋谷本店
7月22日(土)16:00 タワーレコード名古屋近鉄パッセ店
7月23日(日)13:00 タワーレコード渋谷店 B1F
7月23日(日)18:00 タワーレコード新宿店
7月30日(日)14:00 タワーレコード梅田NU茶屋町店
7月30日(日)18:00 タワーレコード難波店