Prime Music、Echo……Amazonは音楽業界をどう変える? 海外事例踏まえて考察
「Amazonは今、エンターテインメント全般に力を入れている印象があります。日本でもプライム・ビデオでオリジナルコンテンツを展開していますが、アメリカではプライム・ビデオ用にAmazon Studiosという制作組織を作って、監督や脚本家と一緒に作品を生み出すという取り組みも行なっています。また、海外ではここ2年くらいでチケット販売も始めていて、実際に自分のAmazonアカウントでレディー・ガガやケイティ・ペリーといったアーティストのチケットを買えるようになっています。今後そのシステムがPrime MusicやEchoに紐づけられれば、例えば今聴いているアーティストが次にライブをやる日程や、チケット販売のスケジュール、プライム会員向けの先行抽選などの情報を提供する、というのも実現していくと思います。実際海外ではすでに、Deep PurpleやWeezerなど多くのアーティストのコンサートで、プライム会員向けに優先的に席を購入できるオプションも開始している。Amazonはストリーミングサービスを持っていたり、チケットやアーティストグッズに加え、DVDやCD、レコードも販売可能なので、今後も音楽業界とは良い関係が作れると思います。日本でもプライム会員は浸透しつつあるので、消費者たちはプライム会員だからこそできることに付加価値を見出していると言えます。今後AmazonはSpotifyやApple Musicと競合するのではなく、独自の進化を遂げていくでしょう」
音楽に限らず幅広いジャンルのビジネスを手掛け、世界中に圧倒的なユーザー数を誇るAmazon。今後もエンターテインメント全体に変革を起こす新たな取り組みを行なうことで、音楽業界が活性化していくことに期待したい。
(文=村上夏菜)
※記事初出時、一部に誤りがございました。訂正してお詫びいたします。