Suchmos、設立レーベル<F.C.L.S.>ショートフィルム公開
Suchmosが、自身が設立したレーベル<F.C.L.S.>(エフシーエルエス)のショートフィルムを公開した。
14分に及ぶ同映像は、Suchmosのライブ映像などを映したものとなっている。
なお、Suchmosは7月5日に<F.C.L.S.>より第一弾作品『FIRST CHOICE LAST STANCE』をリリースする。
ジャーナリスト森 健によるライナーノーツ
陽が落ちていく。遠くでクラクションが聞こえる。手元の機器がメッセージの着信で青く光る。君は画面を確認し、すぐに消す。返すか、見過ごすか。
数秒数えて、上を向き、ひと呼吸して、打ち返す。
窓を開けたい。その扉の向こうへ。広がる夜を見上げたい。
それでも君は動かない。今日は、今夜は。
明日はどうだろうか──。
目をつぶり、そう願いながら、君はつないだイヤホンを耳にあてる。
最初に出会った仲間と生み出した音楽。それでやっていくと決めた。
その彼らが昨日とは違う場所へ行こうとしている。
手には新しい音、胸には古いジョーク。
大事な固い石は最初の場所に置いたまま、遠くへ、知らない場所へ。
そこで君も感じとる。自分ももっと自由な場所へ。もっと気持ちのいい場所へ。
走っているときには気づかない。自分が何を見ているのか、何を手にしているのか。
飛んでいるときには気づかない。どのくらいの速さなのか、どこを目指しているのか。
けれども、彼らは何かを手渡していく。
君はそれに触れ、手にしたものを確かめる。いつくしみ、呑み込み、刻みつける。
誰かにも伝えたい。
そして、君は別の誰かへと渡していく。その誰かはまた別の誰かへと。
点と点がつながり、線と線が交差する。この湧き上がるうねりに誰と触れよう。
この音をどうやって街に刻もう。
夜を伝わる彼らの揺らぎは、君の重りを外していく。
聞いたろ──。そう送れば、あの子がうなずき、あいつが笑う。粗雑な返事だけですべてが伝わる瞬間。夜の匂いとこの音だけで、すべてが充たされる。ここにいなくても、みんな同じ何かを感じている。
手元の液晶から響く音は、いつしか地を揺らす振動となって、君を包んでいく。
君は問いかける。
もう少し先へ。
彼らが呼応する。
いや、もっともっと先へ──。
それなら、どこまで──。
まだ見ぬ地平を夢想して、イヤホンを外しながら、彼らのいざないに胸を奮わせる。
その新しい出発点に君は立っている。
FIRST CHOICE LAST STANCE
いま彼らとともに。
ジャーナリスト 森 健
■リリース情報
『FIRST CHOICE LAST STANCE』
発売日:2017年7月5日(水)
価格:¥1,000(+税)
※初回仕様限定盤はストリート仕様&Suchmos ロゴステンシルシート封入
<収録曲>
1.WIPER
2.OVERSTAND
■ライブ情報
『F.C.L.S. LIVE』※ワンマン
7月2日(日)東京公演
会場:日比谷野外大音楽堂
時間:OPEN 17:00 / START 18:00
※SOLD OUT
7月9日(日)大阪公演
会場:大阪城音楽堂
時間:OPEN 16:30 / START 17:30
※SOLD OUT
■関連リンク
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