『アイ★チュウ』、楽曲から人気の理由を考察 斬新な“シャッフルユニット”でさらなるブームへ?

 『太鼓の達人』、『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル』、『アイドルマスター シンデレラガールズ』……スマートフォンの普及により画面をタップして楽しめる“音ゲー”人気が著しいが、中でも近年注目を集めるのが『アイ★チュウ』だ。ゲームの舞台は有名事務所・エルドールによるアイドル育成学園、エトワール・ヴィオスクール。ユーザーは教師兼プロデューサーとして、アイドルになる途中=「アイチュウ」たちを育てていく、というストーリーとなっている。アイチュウを育てるためにキャラクターたちの歌やダンスに合わせてEASY、NORMAL、HARD、EXPERT、MANIACの5つの難易度のリズムゲームに挑戦するのだが、つい時間を忘れて夢中になってしまう。

 『アイ★チュウ』は学園ものであるという点で『ラブライブ!』、アイドルを育成するという点で『アイマス』といったヒット作との共通点を持ちながら、9ユニット・32人のメインキャラクターといった個性豊かな人物が登場し、“推し”が見つけやすいというのが特徴だろう。純粋なリズムゲームとしてはもちろん、キャラクターとの親密度を上げることでイケメンキャラクターたちとの恋愛ゲームを楽しめるという要素も持つ。100万ダウンロードを突破し、ストーリーも第2部が追加されたことで、初心者もリリース時からのベテランユーザーも、どちらの心も掴み、さらなる盛り上がりを見せている。

 『アイ★チュウ』では、9ユニットそれぞれで楽曲にはっきりと特徴があるのも面白いところ。例えば、『アイ★チュウ』の看板ユニットF∞Fが歌うのは、イケメン王道アイドルらしい、元気で熱い楽曲。一方、F∞Fの先輩格に当たる轟一誠ら3人からなるLancelotは、ジャジーなサウンドと低音ボイスがセクシーな楽曲を歌っている。また、華房心ら“男の娘”キャラによるPOP'N STARは男の娘アイドルらしい可愛いラブソングを歌うなど、音楽そのものも楽しめる。さらに声優には森久保祥太郎、花江夏樹、近藤隆など豪華キャストを揃え、歌はもちろん楽曲中やゲーム中のセリフでも彼らの声を聴くことができるという贅沢さ。『アイ★チュウ』はこれまでに2枚のアルバムのほか、ソロシングルやユニット別シングルを発売。1stフルアルバム『soleil』はオリコン週間ランキングで初登場7位を獲得するほどの人気ぶりだ。

 そんな中、新たに発売された『アイ★チュウ ~シャッフルユニットミニアルバム~』は、これまでにない特別な作品となっている。今作には登場キャラクターの人気投票『I★Chu Award ~2016~』の上位5名をリーダーに据えた“シャッフルユニット”の楽曲を収録。普段はカラーの異なる別々のユニットに所属するキャラクターたちを集め、楽曲を手がける作家陣も一新、非常に新鮮な試みと言える。

「アイ★チュウ ~シャッフルユニットミニアルバム~」トレーラー映像

 人気投票第1位を獲得した華房心を中心としたTOYBOXが歌うのは、「Fancy」をテーマにした可愛らしくポップな楽曲「W・O・N・D・E・R・L・A・N・D」。キュートな声で歌われる<花束のクッションに/腰かけ語りましょう>という歌詞から、どこか幻想的な印象を受ける。F∞Fでは兄的存在の御剣晃によるユニット・QAは、一転して「Sexual」をテーマにした「FIX ME」を歌唱。エレクトロなサウンドに乗せられた色気のある歌声が魅力だが、中でもサビ前に<Kiss me more again>とささやくように歌う声には夢中になるユーザーも多そうだ。

 先述した轟一誠をリーダーとしたWarlockのテーマは、「Strange」。彼らが歌う「Victim Collection 〜極上の生贄たちへ〜」はゴージャスなホーン隊の音色から始まる、歌謡曲を思わせる楽曲で、途中に挟まれるキャラクターのセリフも含め『アイ★チュウ』の世界観を象徴する一曲となっている。そして枢木睦月がリーダーのGrandmasterが歌う「刹那のマシェリ」。テーマは「Luxury」とあり、ピアノに合わせ<そなたはなぜ微笑っているの>と上品な歌声で歌われる優雅な楽曲だ。また、斑尾巽率いるユニット・野生児のテーマは「Wild」で、疾走感溢れるメロディと力強いボーカルが印象的。「Do! Do! Journey」という曲名通り、<Pop Out/大地をほら蹴って/Stepping' Now/どこまでも行こう>と畳み掛けるような歌詞にどきりとする。

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