Charisma.com『not not me』ツアーファイナル公演レポート

Charisma.comのパフォーマンスは進化し続ける ゲスト2組とコラボしたツアー最終日レポ

 Charisma.comが5月3日に東京・赤坂BLITZにてツアー『not not me』のファイナル公演を開催した。

 このツアーはアルバム『not not me』のリリースを記念して全国7都市にて行われたもの。ファイナルとなった当日は、スペシャルゲストとしてTEMPURA KIDZとカルメラがサプライズで登場した。アルバム『not not me』はプロデューサーに、PABLO a.k.a.WTF!?、Cibo Matto、ALI-KICK、西寺郷太(NONA REEVES)、ハマ・オカモト(OKAMOTO’S)、蔦谷好位置らを起用。さらに、従来のエレクトロ路線ではなく、生楽器を取り入れたファンクなサウンドを志向するなど、新サウンドにチャレンジした作品だった。ライブにおいても、変化していくことに積極的な今のモードが感じられ、さらにCharisma.comのエンターテインメント力がパワーアップしていることが証明されていた。

 

MCいつか

 SEが流れるなかステージに現れたMCいつかとDJゴンチは、中央で背中合わせでポーズを決める。そのまま1曲目「Like it」がスタートすると、TEMPURA KIDZのメンバーもステージに登場。ゴンチはDJブースに立ち、フロントではいつかを中心に据えた6人でステージを左右に移動する。いつかの巧みなラップに加え、TEMPURA KIDZに引けを取らない堂々としたパフォーマンスやキレのある動きも印象的だった。その後も「Chicken boom」や「ジェンガジェンガ」、「スーパーガール」、「YAJIUMA DANCE」など、アルバム収録曲とライブの定番曲を織り交ぜたセットを披露した。「メキメキ more」の前には、「この曲はみんなに歌ってほしいのー!」といつかも口にし、その言葉どおりハンドクラップと大合唱が起こった。いつかのラップスキルは確かなものでありながら、口ずさめるキャッチーなフレーズも曲の中に兼ね備えているところが、Charisma.comがジャンルを超えて愛されるひとつの理由なのだろう。

 「メキメキmore」が終わると、ゴンチといつかがMPCを使って交互でビートを回し、さらに会場の温度を高めていく。後半では、Jackson Sisters「I Believe In Miracles」、Earth, Wind & Fire「Let's Groove」、さらに小田和正「ラブ・ストーリーは突然に」などもパットを使ってビートを自在に操り、ダンスチューンへと変えていく。

 

 その後披露されたのは、音源ではハマ・オカモトのベースといつかのラップがスリリングに展開していく「classic glasses」。ライブでは、DJビートでの披露となった。「ゴンチもラップに挑戦します!」といつかが宣言。ゴンチは、手元のスマートフォンのアプリを使って、ラップボイスを流してオーディエンスの笑いを誘う。続く「意地 easy」が終わると、いつかとゴンチがステージを去り、TEMPURA KIDZが再登場。二組のコラボ楽曲「ミイラキラー」を、ソロダンスも交えながらパフォーマンスした。そして、TEMPURA KIDZのメンバーがDJブースの両サイドのパネルをどかすと、そこにいたのはインストゥルメンタル・ジャズバンドのカルメラ。メンバー8人が赤の揃いのスーツを着込み、まずはインスト曲を一曲演奏した。

DJゴンチ

 

 そのサウンドにあわせて、衣装チェンジしたいつかとゴンチがステージに。「婿においで」(SOIL&"PIMP"SESSIONSの社長)、「Lunch time funk」(西寺郷太)、「だったらshow me」(Tokyo Recordings)、「#hashdark」(PABLO a.k.a. WTF!?)と、旬のプロデューサー陣を迎えたアルバム収録曲を、生バンドセットとともに披露した。サックス、トランペット、トロンボーンによるホーンアレンジと、タイトなビート、リズムカルなギターのカッティングにより、これらの楽曲のフィジカルな面が際立ち、いっそう輝きを増す。そして、そのバンド・サウンドの軽々と乗りこなすいつかのラップもパラフルな存在感を放っていた。

 

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