Hey! Say! JUMPが持つ“イワシとサメ”の二面性 「OVER THE TOP」パフォーマンスの楽しみ方

 2月22日、Hey! Say! JUMPの最新シングル『OVER THE TOP』が発売された。表題曲では、疾走感のあるメロディに、キレのある美しいフォーメーションダンスを楽しむことができる。これぞ群舞を得意とするHey! Say! JUMPの真骨頂といえる作品ではないだろうか。本作の魅力について、芸能ライターの佐藤結衣氏に話を聞いた。

「MVを見て最も印象的だったのは、装飾のない黒い衣装とライトのみというシンプルなステージですね。ごまかしの一切きかないシチュエーションで、自分たちのダンススキルを披露したい、そんなJUMPの意気込みを感じました。オープニングでは、グループいちの身体能力を誇る知念侑李さんが、感情溢れるコンテンポラリーダンスを披露。その周囲で整列するメンバーも、足の先まで神経が行き届いていて、とても美しいです。腰にそえられる指先も、スッと伸びた首筋も、黒い衣装だからこそ引き立ちますし、軽やかなステップと共に自在に変化するフォーメーションも、さすがの一言。人数を活かしたパフォーマンスにこだわりを持ったJUMPならではの作品だと思いました」

 公式携帯サイト『Johnny's web』では、メンバーから新曲に関するコメントが掲載されているが、そのなかで中島裕翔が今回の振り付けについて「イワシとサメ」というテーマがあることを語っている。調べてみると、イワシの群れにはリーダーがいないらしい。お互いに適切な距離を取りながら、まるで1匹の魚のような動きをするのだそう。その習性はHey! Say! JUMPの雰囲気と似ているところを感じる。

「JUMPは、リーダー的ポジションがクルクルと変わる。グループ最年長である薮宏太さんが仕切る場面は多いのですが、彼も実際は天然なところがあり、フニャフニャの笑顔で許されてしまう愛され末っ子キャラ。また、センターに立つことが多い山田涼介さんも、代表して挨拶をすることが多くありますが、自分から率先して前に出るというタイプではありません。JUMPは、輪を重んじるタイプが揃っているグループなのかもしれないですね。彼らもデビュー当時は、年齢やキャリアの差があり、ポジションが明確になっていないことからギクシャクしていた時期もあったと言いますが、そんなエピソードを話せるようになったのも、信頼関係が築かれているからこそ。紆余曲折を経て、お互いに適切な距離を取れるいいグループになったのではないでしょうか」

 冠番組であるバラエティ番組『いただきハイジャンプ』(フジテレビ系)でも、Hey! Say! JUMPで何かに取り組んでいることが純粋に楽しいという雰囲気を感じる。ハチの糞を嗅いで「くさいくさい」と大騒ぎしたり、辛いチョコを食べて「ヒーヒー」大ハシャギしたりと、素の彼らはまるで幼気な少女のようだ。

「たしかに思い返してみると、メンバーの会話もいわゆる“女子力”が高い内容が目立ちます。伊野尾慧さんがサバの味噌煮を作ったり、有岡大貴さんが冬の乾燥を気にしていたり、八乙女光さんがメールに顔文字を多用していると暴露されたり……。山田さんと岡本圭人さんがカフェで何時間も語り合う女子会ならぬ男子会をしていることも有名です。一見オラオラ系男子な雰囲気を持つ髙木雄也さんも、実はJUMPのリアクション王。とがっているようで、いちばん素直という部分もかわいらしく、ファンの心をくすぐっています。JUMPに感じるのは、わんぱくな男子たちのワチャワチャというよりは、かわいらしい女子のキャピキャピに近い。一般的に女性的と言われる協調性の高さが、JUMPの根底にはあるのかもしれませんね」

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