NGT48、なぜ楽曲ごとにセンター交代? ほか48グループとの比較で見える“育成法”
NGT48が4月12日にリリースするデビューシングルのセンターに、中井りかが抜擢された。
NGT48はグループ活動初期からのセンター交代劇が盛んだ。AKB48グループや乃木坂46や欅坂46の坂道シリーズでは、グループ結成からしばらくはセンターを固定することが通例である。
AKB48は前田敦子と高橋みなみの2トップ、SKE48は松井珠理奈と松井玲奈、NMB48は山本彩、HKT48は田島芽瑠、朝長美桜、坂道シリーズでは乃木坂46の生駒里奈、欅坂46の平手友梨奈がそれに当てはまる。NGT48では、お披露目イベントでパフォーマンスした「会いたかった」で暫定センターを務めた加藤美南が結成当初からグループのエースとされていた。
加藤は側宙、側転などアクロバットが得意で運動神経抜群、しっかりもので王道のアイドルオーラを持ち合わせている。当時、客観的に見ても加藤がグループの期待を一身に背負っていたように見えたが、初のオリジナル楽曲「Maxとき315号」のセンターは不思議キャラで注目が集まっていた高倉萌香に渡ることになる。その後、グループにとって2曲目のオリジナル曲「君はどこにいる?」のセンターは加藤に、今回満を持してリリースされるデビューシングル楽曲のセンターは中井が務めることとなった。
中井は、劇場公演や握手会、SHOWROOM配信などで一人ひとりにレスを送り、ファンの心を魅了していることから“新潟の釣り師”の異名を持つ。一方で、ネガティブモードになることも多く、SHOWROOM配信ではその側面が垣間見えることもしばしばで、ファンからは“豆腐メンタル”と呼ばれていたりもする。そんな、中井の魅力は人一倍の負けん気にある。昨年の『AKB48 45thシングル 選抜総選挙』において、中井は速報発表で第92位にランクイン。しかし、当日の開票では中井の名前は呼ばれず、加藤が速報圏外から第76位に順位を残す結果となった。総選挙は地上波にて生中継されていたが、ライバルでもある加藤の名前が呼ばれた際の中井の顔には悔しさがにじみ出ており、ドキュメンタリー映画『存在する理由 DOCUMENTARY of AKB48』では、ステージ裏で号泣している中井に対し、指原莉乃が「こんなに悔しがっているってことは、NGTは大丈夫だね」と声をかける姿が映し出されている。
高倉、加藤、中井とセンターが移り変わっているNGT48だが、センターを固定しないという点ではHKT48と似通ったところがある。HKT48は、デビュー初期には2期生の田島、朝長をセンターに抜擢し、その後は兒玉遥、宮脇咲良、松岡はな、指原と9枚のシングルで6人がセンターを担っている。HKT48は絶対的センターである宮脇を単独センターとして起用したことは未だない。NGT48があえてデビューシングルのセンターに加藤を抜擢しなかったのには、HKT48のグループ戦略を踏襲し、多くのメンバーにグループの顔を担わせていくことを選んだからとも考えられる。